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中国は大丈夫か[74]社員数半減の深謀遠慮~それでも中国で作りますか?(2)

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2009年3月24日(火)

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 中国は輸出大国への道を突き進んだ。今では日本企業の海外生産拠点として欠かせない存在になった感がある。しかし、その一方で勝者と敗者を分ける生き残り競争も予想を超えて激しくなっている。一方で新たな問題も出てきた。中国が抱える貿易摩擦や投資バブル、財政赤字、環境汚染などだ。

* * *

2006年1月23日号より

 工場立地の最大の魅力だった「半永久的な低労賃」は年率20~40%も上昇。電力不足やスト騒動も頻発し、外資系企業への優遇政策も先細る公算が大きい。台頭する台湾、香港、中国系メーカーも日系メーカーを突き上げる。中国の輸出の約4割を実質的に担う広東省で、日系メーカーが直面している「世界の工場」の真実の姿と、その中で勝ち組に名を連ねるための条件を探る。

(香港支局 谷口 徹也)

前号より続く)

勝ち抜くための条件――1
省人化が視野に入っていますか?

 年率6~7%の売り上げの伸びは維持したまま、1年間で人員を4割削減しよう――。労働集約型こそ強みだった中国の工場でこんな目標を掲げ、達成した部品メーカーがある。広東省東莞市に工場を持つスイッチメーカーの建益科技だ。

 2004年11月に1300人いた従業員は2005年12月時点で750人になった。一般ワーカーは、派遣社員のような契約だから柔軟に減らすことは可能だ。だが、問題は生産量や品質を落とさずにできるかということだった。

 「あえて社員の危機感を煽り、それだけの改革ができなければ会社が危ないと社員にハッパをかけた」とオーナーである三善幸男社長は1年前を振り返る。広東省における人材難や人件費の高騰が広く顕在化する1年ほど前の2004年の半ばに、労働市場の変調を感じ取っていた。

 2005年に最低賃金が大幅に上がりそうだという情報があり、日本の年金に当たる「養老保険」への社員の加入義務が厳格化される気配もあった。また、隣接する広州市ではトヨタと日産による新工場が動き出し、先行していたホンダは新たに輸出専用工場まで作る計画が動き始めていた。

これは1つの時代の終わりだ

 「これは1つの時代の終わりだ」と三善社長は直感した。自動車産業は部品メーカーの裾野が広く付加価値が高いため、地域全体の給与は今までにない上昇カーブを描くと予想した。安い労働力に頼る経営体質のままではコスト上昇が避けられないと感じ、すぐさま経営改革に着手した。

 人員削減だけでなく、2005年の売上高と利益率を幹部の前で公約。「これが達成できなかったら、自分は社長を辞める」と社員の前で宣誓書にサインした。その後、現場を統括する課長クラスにも4カ月単位の目標管理制度を導入して、それぞれの実行計画を提出させた。例えば、「この4カ月の間に、1ラインでできる製品数を1時間当たり1000個から1400個にする。具体的な改善案は…」といった具合だ。

 アメとムチは給与で示す。例えば、12人いる課長クラスの基本月給は6万7000円ほどだが、目標達成率を5段階で評価し、100%達成なら給与は基本月給の2倍にして、0%なら7割カットとした。同様に12人いる係長クラスも基本月給の5万2000円を同じ率で増減させた。

内製化で4割の人員を削減

 係長クラス以上には毎週会議で成果報告をさせ、毎月1回は三善社長と面接して「今のままだと評価はAからBに下がる」といったフィードバックを密に実施した。「人材をやる気にさせる方法に日本も中国もない。いかに社員を信じて仕事を任せ、正当に成果に報いるかだ。労働局に反対されたので掲示するのは断念したが、気持ちとしては経営情報を末端社員にまで広く公開した方が改革は進むと思っている」と三善社長は話す。

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三品 和広 神戸大学教授