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中国は大丈夫か[76]外資受難はこれから本番~それでも中国で作りますか?(4)

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2009年3月26日(木)

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 中国は輸出大国への道を突き進んだ。今では日本企業の海外生産拠点として欠かせない存在になった感がある。しかし、その一方で勝者と敗者を分ける生き残り競争も予想を超えて激しくなっている。一方で新たな問題も出てきた。中国が抱える貿易摩擦や投資バブル、財政赤字、環境汚染などだ。

* * *

2006年1月23日号より

 工場立地の最大の魅力だった「半永久的な低労賃」は年率20~40%も上昇。電力不足やスト騒動も頻発し、外資系企業への優遇政策も先細る公算が大きい。台頭する台湾、香港、中国系メーカーも日系メーカーを突き上げる。中国の輸出の約4割を実質的に担う広東省で、日系メーカーが直面している「世界の工場」の真実の姿と、その中で勝ち組に名を連ねるための条件を探る。

(香港支局 谷口 徹也)

前号より続く)

中国の財政状況

 2005年、中国の財政赤字は前年から約2%増えて3兆2000億円程度になる見込みだ(みずほ総合研究所の予測)。中国の国家財政は慢性的な赤字で、特に1998年以降、アジア通貨危機に対応した内需拡大策もあって赤字幅が急激に拡大した。2002年には名目GDPに対する比率が国際的に危険水域とされる3.0%に達したが、その後の歳入拡大と高い経済成長によって2005年は1%台で収まる見込みだ。

 政府の債務残高は名目GDPの20%程度だから、増えているとはいっても安全圏にとどまり、小康状態を保っているように見える。ただし、実態は比べものにならないほど悪い。

根拠のない罰金の金額

 例えば、公的年金の積み立て不足15兆円や、急ピッチで進められている銀行の不良債権処理に伴う財政支出もまだ計上されていない。

 政府は正確な金額を公表しないが、これまで銀行から切り離されて資産管理会社に移された不良資産は累積で30兆円を超す見込みだ。銀行の経営健全化のために実施した資本注入を合わせると、総額40兆円を軽く超える規模となる。

 一見、関係が薄いように見えるこうしたマクロ経済の変調が、モノ作りに励む外資系メーカーにも影を落とすようになってきた。

 2005年の夏。日系企業を襲ったいくつかの「異変」が始まった時期は奇妙に一致する。日本の消費税に当たる増値税や関税を巡る不正処理を指摘され、広東省にある日系メーカーが罰金を当局から徴収され始めた時期だ。

 約150万円の罰金を支払ったある部品メーカーの社長は「何が適正でなかったかという説明はあるが、どうして罰金がその金額なのかという説明はない。念のため、近くの日系メーカーに聞いてみたところ、どこも同じ金額の罰金を払っていた」と話す。7月頃、外資系企業から総額2億円ほど徴税するよう、深セン市の税務局にノルマが課されたらしい――。そんな噂も駆け巡っている。

融通転じて“難癖”の温床に

 東莞市にある日系メーカーは突然「身障者雇用義務違反」を突きつけられた。確かに中国の法律では、一定規模を超す企業に対し社員数に応じた人数の身障者を雇う義務を課している。ただ、それを実行している企業はほとんどない。この工場の幹部は「言う通りにカネを出せということ。下手に抵抗すればさらにあら探しをされる恐れがあるから、素直に従うしかない」と言う。

 広東省における外資系企業の生産活動は、グレーな部分と完全に関係を断ち切ることが難しい。外資を誘致することで発展してきたこの地域は、陰に陽に外資系への便宜を図ってきた。所定の条件を満たせば、減税や免税措置を受けられるといった法律に明記されている優遇制度もあれば、市や村の責任者に便宜を図ってもらったり、ちょっとした違反を目こぼししてもらったりといったものまで様々だ。中国事業で10年以上の経験を持つ成型品メーカーの社長は、「厳密に言えば、日系メーカーのうち8割以上は何らかの不正を指摘されても仕方がない状態だと思う」と言う。

 外資が次々と進出し、目論見通りの経済発展が続いている間は政府側も鷹揚だ。しかし、企業側が「融通が利く」と感じていた様々な曖昧さは、ひとたび局面が変わると「言いがかりの温床」になるリスクをはらむ。

中央政府と地方政府のせめぎ合い

 大企業、中小企業を問わず日系企業だけでも数千社はあると見られる「来料委託加工」はそんなグレーな世界の代表例だ。原材料や部品を香港から輸入し、製品は全量輸出する前提だから、その量は完全に一致させなければならない。メーカーは原材料の端切れや切りくずまで集めて出入りを合わせている。だが1kg単位まで完全に合わせるのは難しいのが実態だ。

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