Steve Hamm (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
米国時間2009年3月18日更新 「How Sun Would Help IBM Get into the Cloud」
IT(情報技術)業界が一大転機を迎える中、米IBM(IBM)が米サン・マイクロシステムズ(JAVA)の買収交渉を進めているとの報道があった。企業や一般消費者の間で、コンピューター処理のあり方が様々な面で大きく変わろうとしており、サンのインターネット関連技術を手に入れれば、IBMはこうした変化により柔軟に対応できるようになる。
買収が実現すれば、IBMは、サンのコンピューター、プロセッサー、ソフトウエアなどの多彩な技術を手中に収め、IT業界でも屈指の研究者や技術者を確保できることになる。また、政府機関や通信などの主要市場での営業力の強化にもつながる。
今回の買収で特に重要な意味を持つのは、クラウドコンピューティングに関してサンが様々な可能性を秘めている点だろう。
クラウドコンピューティングとは、コンピューターの処理をインターネット上で行い、有償のサービスとして利用するという新たな技術だ。高価なハードウエアの購入、運用、管理を企業が独自に行う必要がなく、料金は月額払いでいい。サービスを提供するプロバイダーは、巨大なデータセンターでの非常に効率のよいコンピューターの運用に特化している。
IBMでエンタープライズ事業を担当するゼネラルマネジャー、エリック・クレメンティ氏は、買収報道の2週間前の時点で、「クラウドコンピューティングは、コンピューター処理の利用方法や提供方法をがらりと変える。我々の業務のあらゆる面に変革をもたらす潜在力を秘めている」と話していた。
クラウド導入はまだ少数派
しかし、そんな潜在力を生かしている企業はまだ少ない。IT業界ではクラウドコンピューティングが数年前から大きな話題となってはいるが、企業での導入事例は極めて少ないのが実情だ。
米市場調査会社フォレスター・リサーチ(FORR)が企業のIT購買担当者を対象として2月に実施した調査によると、米アマゾン・ドット・コム(AMZN)や米ラックスペース(RAX)などが提供するクラウドサービスを利用している企業はわずか5%だった。
クラウドコンピューティングについての知識がほとんどない企業も多く、大企業が利用できるクラウドサービスも少ない。また、コンピューター処理を外部のプロバイダーに委託することに疑念を持つ企業もある。
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