Douglas MacMillan (BusinessWeek.comスタッフライター、ニューヨーク)
米国時間2009年3月20日更新 「Sony: Take That, Amazon!」
米アマゾン・ドット・コム(AMZN)のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)は、同社の電子書籍端末「キンドル」の販売台数については固く口を閉ざしているが、キンドルで読める電子書籍の数については口が滑らかだ。現時点でその数は25万冊に及ぶという。
だが、ライバルのソニーの発表で、その数も急にかすんで見えるようになってしまった。
ソニー(SNE)は3月19日、同社の電子書籍端末「ソニー・リーダー」で利用可能な書籍を、現在の10万冊から大幅に増やすと発表。米グーグル(GOOG)と提携して、50万冊もの無料書籍を投入するという。
グーグルは、「グーグル・ブック検索」向けのプロジェクトとして、700万冊に及ぶ書籍をスキャンしてデータベース化している。提携内容の詳細については両社とも公表していないが、グーグルによると、ソニー・リーダー向けの書籍は今後さらに増える予定で、スキャン済みの作品の中から、著作権が消滅しているものを提供するという。
ここ数カ月、アマゾンの電子書籍端末の新型機「キンドル2」ばかりが話題を集めてきたが、より多くの書籍が読める今回のソニー・リーダーの登場で、アマゾンの勢いが削がれる可能性もある。
メディア及び出版関連の調査会社である米シンバ・インフォメーションのアナリスト、マイケル・ノリス氏は、「アマゾンはキンドルの強みの1つとして、利用できる書籍の数を挙げてきた」と話す。
ソニーの端末で無料で読めるようになった作品の中には、キンドルでは有料のものが少なくない。例えば、ケネス・グレーアムの児童文学の名作『たのしい川べ』をキンドルで読むには2.39ドルかかるが、ソニーの端末なら無料で読める。
ソニーは機器本体へ注力
だが、今回の発表で何より鮮明になったのは、ソニーとアマゾンの戦略の大きな違いだ。長い目で見ると、この違いはアマゾンに有利に働く可能性がある。
アマゾンは最近、米アップル(AAPL)の携帯電話「iPhone(アイフォーン)」など、キンドル以外の機器向けにも電子書籍の販売を開始した。このことからも分かるように、同社は機器本体だけでなく、電子書籍の販売にも力を入れている(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年3月5日「Amazon's Apple Deal: Kindle Cannibal?」)。
一方のソニーは、無料の書籍を大量に投入して、機器本体の販売に力を入れる方針のようだ。
米調査会社ガートナー(IT)のバン・べーカー氏は、「アマゾンは電子書籍に注力し、ソニーはハードウエアに注力している」と話す。
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