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中国は大丈夫か[79]日本にとどまる方が怖い~中国リスクをねじ伏せる

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2009年3月31日(火)

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 日本企業の多くは「買われるリスク」に怯え、防衛策の導入に汲々としている。日本企業はどうすれば、このリスク恐怖症を克服し、かつての勇敢さを取り戻せるだろうか。

* * *

2007年10月1日号より

 中国でリース事業に進出したノンバンクのNIS。上海に“移住”したトップが、中国リスクをねじ伏せる。サブプライムの逆風にも負けず、上昇を続ける中国株。「次に弾けるのは中国バブル」と専門家は警鐘を鳴らす。その中国にひるまず突っ込む日本企業がある。暴挙か、それとも英断か。

(編集委員 大西康之)

 かつて英仏租界の外国人資本家が建てた洋館が残る上海・浦西地区。近未来を思わせる超高層ビルが立ち並ぶ浦東新区と違い、ここにはまだ中国の人々の匂いが残る。

 日本の中堅ノンバンクNISグループ(旧ニッシン)会長の嵜岡邦彦(45歳)は2006年の夏から、この街に住んでいる。

同業他社は「2代目の火遊び」と笑った

 朝6時、嵜岡のマンションの前の通りは朝市の喧騒に包まれる。一人暮らしの嵜岡はそこで朝飯代わりに1個1元(約15円)の中華饅頭を買い、大上海時代広場(タイムズスクエア)のオフィスに向かう。朝寝を決め込んだ休日には、子供が鳴らす爆竹の音で叩き起こされることもある。

 NISは2004年、松山日新投資管理(現日新租賃)を設立し、中国でリース事業と不動産投資に乗り出した。

 格付け会社はおろか、日本の帝国データバンクのような信用情報もなく、決算書すら当てにならない。そんな中国の中小企業とリース契約を結ぶなど、日本の常識で言えば狂気の沙汰。いきなり資本金1億ドル(約115億円)を投入し、当時33歳の中国人女性を社長に据えた嵜岡の決断を同業他社は「創業家2代目の火遊び」と笑った。

 だが嵜岡は問いかける。

 「じゃあ、日本に閉じこもっていれば安全なのか?」

 専門家は中国のリスクを山のように並べ立てるが、嵜岡は皮膚感覚で「人口や企業数が減り続ける日本にとどまっている方がよほど怖い」と感じている。「アジアを向かなければ生き残れない」。その確信が嵜岡を走らせる。

移住で磨くリスクへの感覚

 リスクが高いと感じた事業を売り、成長すると見込んだ事業に投資する。嵜岡流のリスク管理は、文字にしてしまえば当たり前のことだが、それを実行する決断力と行動力はすさまじい。

 中国に進出する1カ月前の2004年5月、NISは日本で持っていた無担保消費者ローン債権、340億円全額をオリエント信販に売却した。

 無担保消費者ローンは1990年代末まで、NISの貸付金残高の半分を占めた主力事業である。「売却時点でも売上高の2割はあった。消費者ローン市場はまだイケイケの状態だったから、周りは驚いたよね」と嵜岡は振り返る。

 当時は三菱東京フィナンシャル・グループとアコム、三井住友フィナンシャルグループとプロミスなど、専業大手と大手銀行が提携し、消費者ローン市場は拡大していた。大手銀行は「自分たちのブランド力で大企業の従業員など返済能力の高い顧客層を開拓した」と胸を張った。だが嵜岡は自分の目で見たものしか信じなかった。

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