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“中国から来た買収者”は敵か味方か

リオ・ティントへの中国アルミの出資計画に揺れるオーストラリア

2009年4月10日(金)

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中国収購者澳洲“ケン考”

財経記者 厳江寧

 3月2日の朝、シドニーのウェスティンホテルの会議室で、熊維平は中国アルミの役員たちとともにオーストラリアの主要メディアの記者たちと向き合っていた。

 記者たちは、用意された朝食にはほとんど関心がなかった。彼らの視線は、テーブルの向かい側に座る中国アルミの新任総経理(社長に相当)―― 熊維平に集中していた。

 2月17日、中国の国有アルミ最大手、中国アルミの総経理に任命されたばかりの熊維平は、着任早々困難な仕事を引き継いだ。オーストラリアの資源大手、リオ・ティントに対する195億ドル(約1兆9500億円)の出資計画である。この計画は、リオ・ティントの株主による反発と豪政府の審査という試練に直面している。

 記者たちとの質疑応答は通訳を介して行われた。英語のできる熊維平は、質問の意図をきちんと理解できたはずだが、通訳の中国語を最後まで聞いたうえで、言葉を選びながら慎重に回答した。

ロビー活動で株主と豪政府を説得

 中国語が分からないオーストラリアの記者に自分の言い分を理解させたいなら、通訳を雇うだけでいい。だが、リオ・ティントの株主と豪政府に中国アルミを受け入れてもらうには、やらなければならない仕事が山ほどある。熊維平が説得しなければならない人物のうち、最大のキーマンは豪財務相のウェイン・スワンである。

 スワンは外国からの対オーストラリア投資に関する審査の総責任者だ。リオ・ティントに対する中国アルミの出資計画は、スワンにとって就任以来最大の外国投資案件であると同時に、彼が率いるオーストラリア外国投資審査委員会(FIRB)の真価を問うものだ。

 このほかにも、スワンの承認を待つ大型案件が2つある。まず、資源大手の中国五鉱集団が26億豪ドル(約1820億円)で豪資源中堅のOZミネラルズを買収する計画。そして、鉄鋼大手の湖南華菱鋼鉄集団が約12億7000万豪ドル(約890億円)でオーストラリア第3位の鉄鉱石鉱山開発会社フォーテスキュー・メタルズ・グループに出資する計画である。

 (編集部注:FIRBは3月末、「豪軍の演習地に近い鉱山が買収対象に含まれる」という理由で中国五鉱集団の計画を却下した。一方、湖南華菱鋼鉄集団の計画は認可した。中国アルミに関しては審査期限を6月まで延長した)

 中国からの投資に「ノー」と言うのは簡単だ。しかし、それではオーストラリアの資源産業が苦しむ資金繰りの問題を解決できない。中国企業の投資を拒否しても、他にもっと良い選択肢があるわけではないのだ。

 「経営者としてリーダーシップを発揮し、計画の実現に力を尽くす」。オーストラリアに出発する前日の2月27日、総経理に就任して8日目の熊維平は北京の中国アルミ本社でそう抱負を語った。

 中国アルミとリオ・ティントが資本提携を発表したのは2月12日。中国アルミが72億ドル(約7200億円)でリオ・ティントの転換社債を引き受けるとともに、123億ドル(約1兆2300億円)を投じて銅、アルミ、鉄鉱石などの資源開発に協力する。中国アルミがリオ・ティントの取締役会に2人の取締役を派遣することも発表した。

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