• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ソマリアの軍閥「クラン」の驚くべき結束力

ソマリアに続く“武器街道”を行く(3)

  • 吉田鈴香

バックナンバー

2009年4月14日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 3月20日から4月3日まで、筆者はケニアのナイロビ、アラブ首長国連邦のドバイ、そしてジブチの首都ジブチを訪れた。最近問題になっているソマリア海賊が現れた背景、ソマリアの武器の動きと国際社会との関係、そしてソマリアの経済と治安についてなどを取材するためである。


 前回の原稿は、筆者がこの取材旅行で最初に訪れたナイロビのホテルで書いたものだ。ソマリア人コミュニティーを車の中から見た後のことである。この時、彼らの異質性に非常に驚き、ソマリア人を知るためにぜひ彼らに直接会わねば…と願っていたのだが、意外なところで出会いがあった。ナイロビにある、某国際機関である。

 その日、ケニアの国際機関で武器取り締まり関連の職に就く人を訪ねた筆者が、ソマリアの武器取引などについて押しかけ面談をしていたところ、髪にスカーフを巻いた女性が部屋に勢いよく飛び込んできた。

あるソマリア女性との出会い

 面談相手はその女性に「スズカがソマリアに関心を持っていて、ジブチにも行くんだ。手伝ってやってくれ」と短く言った。女性は筆者をちらりと見て、「あとで寄ってね」と言いおいて立ち去った。

 訪ねていくと、女性は挨拶抜きで、筆者の旅の目的、専門的背景、記事の論点を矢継ぎ早に聞いた。筆者が、ソマリア海賊や武器取引についての取材で来た旨を答えると、「OK」と言うや、携帯電話で3人のソマリア人に電話をかけた。近隣国在住のソマリア人ビジネスマン2人と、ソマリアの新首相オマル・アブディラシド・アリ・シェルマルケの側近の3人だ。

 彼らに、「今度、スズカという日本の専門家が連絡するから、必ず応援してやってね」という調子だ。彼女の大きな濁声(だみごえ)にいささか気押されていると、次には筆者に向き直ってさらに大声を出した。

 「スズカ、あなたは私がこれまで会ったジャーナリストの中で一番いいね。でも、英語で書かないといつまでたってもマイナーだよ」。痛い忠告である。

 「あの、名前を聞いてもいいかしら」と言うと、彼女はがははと笑い、「そういえば、名乗ってなかったわね」と、名刺を渡してくれた。聞いたこともない音感の名前だ。どちらの国籍?と聞くと、「ソマリア人よ。でも今は違う国籍になった」と、短く答えた。これが、ソマリア人との初めての出会いであった。

 「国籍など大したことではない。世界のどこに行ってもソマリア人コミュニティーがあり、ソマリア人のまま暮らせるのだから」

 彼女の何気ない一言は、その後多くのソマリア人と接するたびに、彼らが共通して持っている特徴だと感じるに至った。彼女のたっての願いで、名前も所属先も明らかにできないが、以後の取材は、この出会いのおかげで、霧が晴れるように進んだのは言うまでもない。

コメント1

「吉田鈴香の「世界の中のニッポン」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

高齢者に配るお金はあるが、少子化対策のお金はないと言うのは、おかしいでしょう。

小泉 進次郎 衆院議員