• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

EU海軍、ソマリア海賊退治の実況リポート

もしかしたら、もうひとつ狙うものが?

  • 白土 晴一

バックナンバー

2009年4月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 先月、ソマリアに向けて海上自衛隊の護衛艦が派遣されたことは、ご存知のことと思う。

 今回の海賊対策には、アメリカ合衆国(以下アメリカ)やヨーロッパだけではなく、ロシアや中国などからも艦艇が派遣され、さながら海軍ワールドシリーズと言えるほどの状況になりつつあるが、これは単にソマリアの海に秩序を取り戻したいというだけでなく、その背後に様々な政治的な思惑があるのは間違いない。

 その中でも、特に注目したいのは、ヨーロッパ連合(EU)の動きである。

 冷戦終結後、EUはこれまでのアメリカとのNATOの枠組みとは違う、ヨーロッパ独自の軍事体制を模索し続けており、特に人道支援や平和維持活動を目的とした軍事活動を迅速かつ円滑に展開させるため、多国籍軍であるヨーロッパ連合部隊(EUFOR)設立するなどを様々な動きを見せている。

EU海軍が総出撃

 すでにEU としてコンゴやチャド・中央アフリカなどに陸軍を中心とした平和維持部隊を展開させてきたが、今回のソマリア海賊対策では「EU NAVFOR  オペレーション・アタランタ」と命名された、初の海軍主体の軍事共同作戦を行っている。

 現在ベルギー、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ギリシャ、オランダ、スペイン、スウェーデンの海軍から艦艇が派遣されており(今年8月にノルウェー海軍も参加を表明)、作戦総司令官にはイギリスのフィリップ・ジョーンズ海軍少将、艦隊司令官にはギリシャのアントニオス・パパイオアヌー海軍准将が任命され、准将の乗艦するギリシャ海軍フリゲート「プサラ」が旗艦となって、民間船舶の護衛やパトロールなどの任務が遂行されている。


【The EU fights piracy at sea】
(EU Security and DefenceのYouTubeチャンネルより)
参加海軍はフリゲートを一隻ずつ派遣しているが、このクラスの艦でないと性能的に広大の海域をカバーするのは難しい。日本が海上保安庁の巡視艇ではなく護衛艦を派遣する理由も同じである。

 ただし、万事が順調に進んでいるわけではない。先月この作戦に参加するドイツ海軍の艦が海賊に襲撃されるという事件も起こっている。

 3月29日午後3時頃、ソマリア北東部プントランドの港であるボサソの沖合約137kmを航行していたドイツ海軍所属の給油艦「A1442 スペサート」(レーン級・14169トン)が、グラスファイバー製ボートにAK-47自動小銃を所持した7人の海賊に襲撃された。

給油艦と気づかずに手を出した? 軍艦の総反撃を受ける

 海賊たちは発砲しながら猛スピードで接近してきたらしいが、おそらく「スペサート」を海軍の艦とは認識せず、民間の船と思ったのだろう。同艦はあくまで給油艦であり、通常は40人ほどの民間人の乗組員で運行されるなど、海賊でなくても誤認する可能性はある。

 ところが、この海域で活動する危険性を考慮し、ドイツ海軍は海軍警備部隊(MSK)の兵士12名を乗艦させていたため、海賊に対してすぐさま応戦し銃撃戦に発展する。

 これに驚いたのか、すぐさま海賊たちは逃走するが、この時には「スペサート」から連絡を受けたオランダ海軍フリゲート「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」、スペイン海軍フリゲート「ヴィクトリア」、またアメリカ海軍強襲揚陸艦「ボクサー」などが次々に追跡を開始したのである。まるで、ネズミが象に追いかけられるようなものだろう。

 しかし、逆にこうした小さいボートの方が、海上で発生する波のクラッター(ノイズ、雑情報)などに紛れてしまい、レーダーにも映りにくい。そのため、各艦は艦載ヘリを発進させ大掛かりな捜索を行い、5時間近くも追跡劇が続いたらしい。

 最終的には、旗艦であるギリシャ海軍フリゲート「プサラ」とドイツ海軍特殊部隊(SEK‐M)から派遣された臨検乗船中隊により、海賊7人全員の武装解除と拘束に成功する。

コメント2

「世界を小窓から ~設定考証マンが覗いた国際社会のあれこれ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長