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インドネシアに「ゴミ銀行」登場

実利は少ないが、狙いは市民の環境意識の啓蒙

  • The Jakarta Post

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2009年4月22日(水)

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Banking on the environment

プライトノという名の中年男性が、霧雨をものともせず左手に紙類が入った袋を持ち、右手にはテレビアンテナが入った段ボール箱を持って運んでいる。

“ゴミ銀行”では持ち込まれたゴミを計量し、“通帳”に記入する (写真提供:The Jakarta Post)

 金曜日の夜8時30分、プライトノ氏が目的地である“銀行”に着くと、ガルー・アリ・ストリスナさん、パンジ・デワ・サプトラさん、タニアさんの3人の若い女性から温かい歓迎を受けた。

 この3人は学生で“銀行の窓口の担当者”。プライトノ氏は“銀行”の顧客の1人だ。しかし、夜間に営業している銀行とは一体どんな銀行なのか。

ゴミを持ち込むと貯蓄が増える

 この風変わりな“銀行”は、ジャワ島中部にあるスレマン県ジョクジャカルタのバントゥール地区バンデガン村にある「プロスパラス・トラッシュ・バンク(“ゴミで繁栄しよう”銀行)」だ(*)。インドネシアにこの種の銀行は、ここにおいて他にない。「トラッシュ・バンク(ゴミ銀行)」という名前から分かるように、顧客はお金を預けに来るのではなく、古紙やプラスチック、金属、段ボール、発泡スチロールといったリサイクルが可能なゴミを持ってくる。

インドネシア語ではBank Sampah Gemah Ripah

 学生たちはプライトノ氏が持ち込んだゴミを注意深く計量し、ガルーさんがプライトノ氏が持ち込んだゴミの明細を彼の“預金通帳”に記入する。

 この“ゴミ銀行”の生みの親は、ジョクジャカルタにある保健工科大学公衆衛生学部で講師を務めるバンバン・スウィルダ氏だ。

 「ゴミ処理の重要性に対する住民意識を啓発したかった」。スウィルダ氏は本紙(ジャカルタ・ポスト)のインタビューに対し、ゴミ銀行を設立した狙いについてこう答えた。「『ゴミ銀行』の主な目的は、清潔な環境づくりであり、それは当然のことながら健康に良好な環境づくりにつながる。加えて、廃棄物も商品的価値を持ち得ることを立証したかった」。

 そのため、スウィルダ氏は環境キャンペーンを立ち上げ、伝統的な集いである「アリサン」の場を借りてゴミ処理の重要性を説明して回った。村の男女が集うアリサンは月1回しか開かれないため、同氏のメッセージを伝えるには時間がかかった。

 「『ゴミ銀行』の顧客になってほしいと住民に頼んだところ、みんな最初は茶化していたが、少しずつ理解を示すようになってくれた。ある日、表通りに家を構える人が自宅を“銀行の店舗”に使っていいと言ってくれたんだ」とスウィルダ氏は続ける。

 “銀行”とはいえ、通常の銀行のように「金庫」や「電卓」があるわけではない。ゴミ銀行にはその代わり、ゴミを入れるための袋が積み上げられており、ゴミ保管用の倉庫やゴミの量をはかる計量器、ゴミの破砕機などがある。

 営業時間は月曜日、水曜日、金曜日の午後4時から9時。顧客は皆自分の名前を書いた袋にゴミを入れて持参する。

 プライトノ氏が来た晩には、ダリョーノ氏とスマルディジャント氏という2人の顧客も来店し、古紙を持ち込んだ。

 「『預金』の重量は正確に記帳する。お客様は自分の口座を持っていて、持ち込まれるゴミが多岐にわたることも少なくない」。このプロジェクトに自ら手を挙げ、ボランティアとして参加するガルーさんはこう説明する。1回に持ち込まれるゴミの量は様々だが、3キロから10キロ程度という。

 公務員のプライトノ氏は、ゴミ銀行の顧客になったのは、自分の子供たちに環境を大切にすることを教えたかったからだと言う。預けたゴミの量に応じた現金を月1度引き出すことができるが、プライトノ氏は3カ月に1度引き出すようにしている。

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