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第1回:中国でも紙媒体の高度成長期は終わった

「財経」、退路を断ち巨大ポータルに挑む

  • 田原 真司

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2009年5月14日(木)

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 中国のインターネット人口は3億を超え、世界最大のネット大国となった。日本の総人口の2倍以上という巨大市場は魅力的だが、中国のネットメディアを取り囲む環境は、米国や日本のそれとは大きく違う。

 新聞や雑誌などの伝統メディアはネット対応で後れを取り、大手ポータルサイトがその間隙を突いて情報発信の出口を押さえた。中国のネットユーザーの間では、ニュースはポータルで読む習慣が定着している。当局による報道規制やウェブサイトへのアクセスブロックなど、中国特有のリスクもある。

 そんな中、気鋭の中国メディアや外資系メディアの間で、新たなビジネスモデルを模索する動きが出ている。北京で4つのメディアの編集長と会い、中国のオンラインジャーナリズムの今と未来について聞いた。4回の短期集中連載でお届けする。

(聞き手は日経ビジネスオンライン編集長 廣松 隆志)

第1回 「財経」「財経網」胡舒立編集長、「財経網」張翔COO(最高執行責任者)
第2回 「ウォールストリート・ジャーナル中国語版(WSJ中文網)」袁莉編集長
第3回 「経済観察報」「経済観察網」仲偉志執行編集長
第4回 「フィナンシャル・タイムズ中国語版(FT中文網)」張力奮編集長

財経網

中国を代表する経済金融専門誌「財経」。そのオンライン版である「財経網」(「網」は中国語でネットを意味する)は、2006年の全面リニューアルを機に独自コンテンツを大幅強化。同時に、大手ポータルサイトへの記事配信を打ち切り、独自路線に踏み出した。財経の創業編集長で、財経網の編集長を兼ねる胡舒立氏と、財経網のCOO(最高執行責任者)を務める張翔氏に聞いた。

―― 中国のネット人口は今や3億人に達し、ネットメディアの経営環境も米国や日本とは大きく違うと聞きます。私は中国語はできませんが、財経のウェブサイト「財経網」を拝見したところ、その情報量の豊富さに驚きました。雑誌社である財経が、ネットを通じたニュース配信に力を入れるようになったきっかけは何ですか。

「財経」と「財経網」の胡舒立編集長

 財経は隔週刊の雑誌ですが、中国ではオピニオンリーダー的な存在であり、非常に影響力があります。しかし3~4年前から、週刊や日刊の経済専門紙誌が続々創刊されるようになりました。これらの経済紙誌は昔ながらの官製メディアと違い、ある程度独立した編集方針やビジネスライクな経営マインドを持っています。財経は隔週刊のままでも強い影響力を維持していますが、週刊紙誌や日刊紙の増加によって相対的に影響力が低下してしまうのではないかと懸念しました。

 そこで、2006年下半期にウェブサイトを全面リニューアルしました。雑誌のコンテンツを載せるサイトから、新鮮なニュースを提供するサイトへと衣替えしたのです。最初は毎日5本の独自記事を掲載するところから始めました。数は多くありませんが、財経網でしか読めない記事ばかりです。

 2008年3月に再びリニューアルを行い、毎日配信する独自記事を20~30本に増やしました。また、我々の記者が独自に取材した記事に加えて、他社が報じたニュースを我々独自の視点で選択、分析する記事の掲載も始めました。こうした分析記事を含めると、毎日40~50本を配信しています。

コンテンツの量がなければ、サイトを見てもらえない

―― 日経ビジネスオンラインの配信数は、通信社のニュース記事を除けば毎日20~30本です。独自記事だけで毎日40~50本を配信するのは大変でしょう。

 確かに大変です。しかし40~50本というのは、中国の大手ポータルサイトの配信数に比べればものすごく少ない。ポータルは毎日5000本、少なくとも1000本を配信しています。

 中国のネットメディアの特徴は、コンテンツの量が極めて重要という点です。コンテンツの量が多くて初めて、ユーザーにウェブサイトを見てもらえるのです。大手ポータルは情報のカテゴリーごとにいくつものチャンネルを作り、重大事件からスポーツまで、政治家の外遊から団地の痴漢事件まで、大衆の興味を引くありとあらゆるニュースを満載しています。

 これに対し、財経は創刊以来ずっとシリアスなスクープ報道を売り物にしてきました。ポータルのように、量はあるけれど大衆に迎合するような記事や広告まで載せたくありません。しかし量がなければ、そもそもウェブサイトを見てもらえない。我々にとってはジレンマです。

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