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新車買い替え補助金制度の功罪

大規模な雇用削減の回避という効果はあるものの…

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2009年5月13日(水)

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Jack Ewing (BusinessWeek誌、欧州地域担当エディター)
米国時間2009年5月6日更新 「Car-Scrapping Plans: Germany's Lessons

 未曽有の危機に直面する世界の自動車産業だが、ドイツの古都ケルンにある米フォード・モーター(F)の工場では、そんな危機など露ほども感じられない。

 工場の従業員は低燃費小型車「フィエスタ」の注文をこなすため、週末返上で生産に追われている。事実、ドイツ国内でフォード車は飛ぶように売れており、今年1~4月のフィエスタ、サブコンパクト車「Ka(カァ)」、中型セダン「フュージョン」の受注高は、総計6万8500台と前年同期の3倍を突破した。

 未曽有の危機とは裏腹にドイツでフォード車の販売がこれほど好調な背景には、ドイツ政府が導入したいわゆる“環境ボーナス”と言われるエコカー優遇策が、多少なりとも関係している。ドイツ国内で“スクラップ奨励金”とも呼ばれる新車買い替え補助金制度だ。

 アンゲラ・メルケル独首相は景気刺激策の目玉として、このスクラップ奨励金制度を1月に導入し、3月に拡充(Businessweek.com の記事を参照:2009年3月27日「Germany Renews Popular Car-Scrap Plan」)。初回登録から9年以上経過した旧型車を新車に買い替える消費者に、2500ユーロ(約33万円)の補助金が支給される。

 この制度により、独自動車市場における世界的景気低迷の影響が軽減された。そればかりか、工場の雇用確保、排ガスをまき散らす燃費の悪い旧型車から最新のエンジン技術を搭載した新車への世代交代の促進という効果も生み出している。

英政府もドイツに追随

 とはいえ、この制度にもマイナス面はある。米国の政策担当者が同様の政策導入に動く際には、その点を考慮すべきだろう(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年5月5日「Autos: Cash for Clunkers Advances」)。

 ドイツと同様のスクラップ奨励金制度を導入する動きは各国に広がっている。4月には、英国政府が10年以上経過した旧型車の買い替えに2000ポンド(約30万円)を支給する制度の導入を発表した。2010年3月までを期限とし、3億ポンド(約450億円)の予算に達した時点で終了され、補助金は政府と自動車メーカーが折半して負担する予定だ。

 フランス政府も既に同様の制度を導入済みだ。10年以上経過した旧型車の買い替えを対象とし、補助金の額は1000ユーロ(約13万4000円)とドイツや英国に比べ少なめだが、3月の新車登録台数は前年同月比で8.1%増加し、その効果が実証された。

 新車買い替え補助金制度が、経済だけでなく、環境にも恩恵をもたらしていることにまず疑問の余地はない。もともと、欧州の消費者は、米国人ほど SUV(多目的スポーツ車)や大型ピックアップへの思い入れが強いわけではないが、ドイツ政府のスクラップ奨励金制度導入により、旧型車からより低公害で燃費のいい車への買い替えに拍車がかかっている。フォードの2009年型のカァは、1999年型と比べて、燃費効率が25%向上し、二酸化炭素(CO2)排出量が28%削減されている。

 さらにこの制度では、独国内自動車メーカーによる大規模な雇用削減の回避という効果も上げている。今年1~4月の独国内自動車販売台数は、前年同期比で18%増加し、40%減もの壊滅的打撃を受けた輸出部門の落ち込みを一部穴埋めしている。

 独産業部門で最大の雇用者である自動車メーカーの大部分は、労働時間の短縮や工場の一時操業停止といった生産調整は行っているものの、今のところ大規模な人員削減までには至っていない。補助金制度は、これまで独国内の失業率の急増を食い止めるのに一役買っているのだ。

割を食うその他の商業部門

 とはいえ、この制度にも大きなマイナス面がいくつかある。例えば、小売業界からは、この制度が他業界の消費を侵食しているとの強い不満の声が上がっている。3月の独小売売上高は前年同月比1.5%減と、3カ月連続で減少しており、小売業界団体は、補助金制度によりほかの消費が自動車購入に回されたことも減少の要因だと非難している。

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