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「事実」をつくった詐欺集団

  • 菅原 出,瀬川 明秀

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2009年5月18日(月)

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 2001年1月のブッシュ政権誕生からワシントンや中東で取材を続け、日経ビジネスオンラインでも随時、分析記事を寄稿していただいている菅原出氏が最近、ブッシュ政権の8年間、とりわけイラク戦争を総括された本『戦争詐欺師』を出版されました。

 この戦争を巡る政権内の政策闘争や、政策に影響を与えるべく暗躍した亡命者、ロビイストや情報詐欺師などの姿を通して、ワシントンの政策決定過程の舞台裏を描いています。この取材を通じて見えてきたことを語ってもらおうと思っています。

 その中でも今回は2つの話をお願いしました。

 まずは北朝鮮のミサイル問題。北朝鮮はなぜミサイル発射をこの時期に行ったのか。このことを考えるために、ワシントンの政策闘争に詳しい菅原さんに、オバマ政権の安全保障戦略を整理していただこうと思います。

 そして連載2~4回目では2001年以降の米国の安全保障戦略の経緯を振りかえります。その中でも、“影の主人公”“米国をイラク戦争に引き込んだ男たち”、菅原さんが言う「戦争詐欺師」たちの話を中心に伺います。


1回目から読む 2回目から読む

 ―― 菅原さんの本を読んでいて、ブッシュ政権の最初の人事から、すでにその後の政権内部の「抗争」は必然だったと指摘されているところが非常に興味深かったのですが・・・。

 菅原 もうみんな忘れているかもしれませんが、2000年秋の大統領選挙の結果はもめにもめて、最高裁での判決になるまで決まりませんでしたね。

英雄パウエル起用の理由

 「ジョージ・W・ブッシュは本当に米国民が選んだ正統な大統領なのか?」「(対立候補だった)アルバート・ゴアより総得票数では負けているじゃないか!」という批判がわき起こって当時は大変でした。

 ブッシュ陣営としては一刻も早く「ブッシュは正統な大統領である」ことを印象づける必要がありました。そこで、国民的英雄だったコリン・パウエル氏を慌てて、国務長官に任命してしまいました。

 ブッシュ新政権としては、国民の一部からの不信の目を逸らすためにも、英雄パウエルの人気に頼らざるを得なかったのです。パウエルを国務長官という「政権の顔」の1つとして持ってくるというアイデアには、誰も文句はつけられませんからね。

 ところが、このパウエルを任命したことが、後々に大きな影響を及ぼすことになりました。

 それともう1人、日本ではあまり触れられなかった話ですが、ブッシュ政権混乱の引き金の1つとなったのがCIA(米中央情報局)長官の人事でした。

どうやってパウエルを孤立させるか

 ―― 日本ではスパイ活動をしているダーティーなイメージがあるCIAですが、外交・安全保障政策の立案に不可欠な情報を収集・分析することが主な役割。安全保障政策にとって主要な機関なんですよね。

 菅原 ええ、様々な手段で収集した「生の情報」に評価や分析を加えて、政策立案のために「使える」形に加工されたものが「インテリジェンス」と呼ばれておりまして、このインテリジェンス活動をしている政府機関は米国に16もあり、「インテリジェンス・コミュニティー」などと呼ばれていますが、CIAはその「コミュニティー」のまとめ役のような存在でした。

 CIAは政策立案を行わずに、「客観的なインテリジェンス」を政策立案者に提供することがその主たる役目です。CIA長官は「コミュニティ」を代表して大統領に直接ブリーフィングをする特権も持っておりました(今では国家情報長官がその役割を担っている)。

 実は、ネオコン・チェイニー陣営は、人気者パウエルが政権全体の「正統性」のために不可欠な存在であることは認めていたものの、慎重派のパウエルが自分たちとは極端に考え方が違うことを知っていました。

 ですから最初から「いかにしてパウエルを封じ込めるか」が人事上のテーマでして、そもそもいかなる政策にも「インテリジェンス」の裏づけが必要ですから、CIAを自陣につければパウエルの国務省を孤立化できると考えていました。

コメント1件コメント/レビュー

イラク戦争では、現実主義ではなく、理想主義が出すぎてしまった。事実の捏造は、米政府全体一枚岩でやらねばならなかった。中途半端に正直なところがよくなかった。うそをつくなら、つきとおせるようにすべきである。アメリカのメディアは、戦争になれば政府を応援する。そこが怖いと思うか、すばらしいと思うかは人によるが、毎年どこかで戦争している国だから、そういうことは慣れているのである。アメリカのメディアが9.11テロに対して、世論形成するときに、日本の真珠湾攻撃の映像を使って敵意をかきたてたことを、日本人は忘れてはいけない。(2009/05/18)

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イラク戦争では、現実主義ではなく、理想主義が出すぎてしまった。事実の捏造は、米政府全体一枚岩でやらねばならなかった。中途半端に正直なところがよくなかった。うそをつくなら、つきとおせるようにすべきである。アメリカのメディアは、戦争になれば政府を応援する。そこが怖いと思うか、すばらしいと思うかは人によるが、毎年どこかで戦争している国だから、そういうことは慣れているのである。アメリカのメディアが9.11テロに対して、世論形成するときに、日本の真珠湾攻撃の映像を使って敵意をかきたてたことを、日本人は忘れてはいけない。(2009/05/18)

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三品 和広 神戸大学教授