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第4回:130万会員生かしネット以外にも商機

「FT中文網」、無料の優れた記事で購買力持つ読者を集める

  • 田原 真司

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2009年5月22日(金)

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 中国のインターネット人口は3億を超え、世界最大のネット大国となった。日本の総人口の2倍以上という巨大市場は魅力的だが、中国のネットメディアを取り囲む環境は、米国や日本のそれとは大きく違う。

 新聞や雑誌などの伝統メディアはネット対応で後れを取り、大手ポータルサイトがその間隙を突いて情報発信の出口を押さえた。中国のネットユーザーの間では、ニュースはポータルで読む習慣が定着している。当局による報道規制やウェブサイトへのアクセスブロックなど、中国特有のリスクもある。

 そんな中、気鋭の中国メディアや外資系メディアの間で、新たなビジネスモデルを模索する動きが出ている。北京で4つのメディアの編集長と会い、中国のオンラインジャーナリズムの今と未来について聞いた。4回の短期集中連載でお届けする。

(聞き手は日経ビジネスオンライン編集長 廣松 隆志)

第1回 「財経」「財経網」胡舒立編集長、「財経網」張翔COO(最高執行責任者)
第2回 「ウォールストリート・ジャーナル中国語版(WSJ中文網)」袁莉編集長
第3回 「経済観察報」「経済観察網」仲偉志執行編集長
第4回 「フィナンシャル・タイムズ中国語版(FT中文網)」張力奮編集長

「FT中文網」

英国の老舗経済情報紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、2003年に中国語版ウェブサイト「FT中文網」を立ち上げた。グローバルな視点から見た中国経済の深い分析や評論を売り物に、中国の知識層の支持を集めている。さらに昨年、FT中文網の読者に向けて無料のライフスタイル誌「FT睿」を創刊。無料のネットで獲得した会員属性を使い、雑誌やセミナーなどオンライン以外にも収益の機会を求めるという新たなビジネスモデルに挑戦している。FT中文網の編集長を務める張力奮氏に聞いた。

―― フィナンシャル・タイムズ(FT)の「FT中文網」は、欧米メディアの中国語ウェブサイトでは米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の「WSJ中文網」と並んで最も早く立ち上がりました。そのきっかけは何だったのでしょうか

「FT中文網」の張力奮編集長

 FT中文網がスタートしたのは2003年6月です。その後、2005年8月に全面リニューアルを行い、現在に至ります。

 なぜこのウェブサイトを立ち上げたのか。130年の歴史を持つFTという新聞の最も重要な価値は、自由経済の促進、特に直近の10~20年においてはグローバル化の促進にあります。中国経済は大変なスピードで発展しており、経済に関する情報やその分析に必要なデータはこの10年で非常に豊富になりました。

 しかし、こうした経済情報の質については、まだまだ玉石混交かつ不十分です。そこで私たちは、FTが提供する質の高い分析や評論を通じて、中国の市場経済化やグローバル化の推進に貢献できると考えたのです。

中国の発展には“異なる意見”が必要

―― 張さんはウェブサイトを立ち上げる前からFTで働いていたのですか。

 FTには2003年に入社し、ウェブサイトの立ち上げに準備段階から加わりました。その前はBBC(英国放送協会)で13年間働いていました。

 中国で生まれ、中国で教育を受けた私の人生は、1949年の中華人民共和国建国以来の歴史と重なっています。過去60年間の前半30年と後半30年を比べると、前半の中国は閉鎖社会で世界から隔絶していました。

 しかし、中国は後半の30年間で対外開放を進め、情報や言論も次第に多様化しました。そして、この30年間は経済が最も発展し、社会も相対的に安定していました。ここから明らかなように、多元的な思考や異なる意見は中国の発展にとって極めて重要であり、必要なのです。私はそう信じています。

 FTにとっても、中国に関する報道はグローバル経済の今を伝えるうえで欠かせない要素になっています。世界中の企業経営者や投資家たちに、中国が投資先として非常に価値のある場所であることを伝えていきたい。

 さらに私たち自身も、FT中文網の立ち上げを通じて身をもって中国を体験することが必要でした。当時の経済環境は必ずしも良くなかったのですが、先行投資と割り切って決断しました。

―― それは、張さんが理想と熱意をもってFT上層部を説得したのでしょうか。それとも、上層部もそうした意識を共有していたのですか。

 上層部も意識を共有していたと思います。2003年当時、中国経済の存在感はまだ今ほど大きくありませんでした。しかしFTでは、中国経済に関する分析や評論が毎日の報道の中で少なくとも5~6本、多い日には10本近く掲載されるようになっていました。この変化を見て、中国がグローバル経済に対して大きな影響を持ち始めたことに、私たちは突然気づいたのです。

 中国経済の発展により、グローバル経済は大きな転換点を迎えようとしている。私たちはそう直感しました。ならば、中国のさらなる自由経済化とグローバル化を促進するため、FTにできることがあるはずだと。(競争相手である)ウォールストリート・ジャーナルは、FTより1年早くWSJ中文網を立ち上げました。彼らもきっと同じことを感じていたのでしょう。

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