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欧米通貨安で中国人学生の留学急増

国内の就職厳しく、海外が“一時避難先”に

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2009年5月18日(月)

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経済観察報記者 / 厳凱

「国内で就職先を探すべきか、それとも留学すべきか」――。王振は、中国の後輩たちからしばしば相談を受ける。彼の答えはいつも基本的に同じだ。迷える後輩たちにこう提案している。

 「今なら20万元(約280万円)を教育に投資すべきだ。勉強したことは自分のものになり、将来も価値が下がることはない。不動産などに投資するよりもずっと堅実だ」

 そう言う彼自身も、オーストラリア留学に踏み切った若者の1人である。シドニー大学の修士課程で英語教育を懸命に勉強している。出国後初めての春節(中国の旧正月)は、故郷に帰らずシドニーで迎えた。

 自分が選んだ道に間違いはないと思っている。この数カ月、王振の周囲では中国語を話す黄色人種が増える一方だ。彼らも皆、中国から来た留学生たちである。

金融危機のおかげで実現した海外留学の夢

 王振は、ずっと前から海外留学を考えていた。1年前に安徽大学文学部を卒業したものの、すぐに就職せず、留学して“箔”をつけたいと思ったのだ。最初は英国に行きたかった。「英国が好きで、(サッカーチームの)リバプールが好きで、(スター選手の)マイケル・オーウェンが好きだからね」

 しかし、留学費用の高騰でその希望は絶たれた。「1年前は、英国に留学するなら少なくとも年間40万元(約560万円)が必要で、僕の家庭にはあまりにも負担が重かった」。王振はそう振り返る

 彼の両親は中国の典型的な“勤め人”である。父親は地元の中学校の校長で、母親は同じ学校に勤務する国語教師だ。

 「決して裕福な家庭ではないから、両親にそんな負担を背負わせたくなかった」。結局、王振は留学を断念し、国内の大学の修士課程を受験するために毎晩遅くまで勉強していた。

 そんな時、米国発の金融危機が勃発。ここから状況は一変してしまった。

 昨秋以降、ドル、ポンド、ユーロ、オーストラリアドルは人民元に対して軒並み下落した。王振はチャンス到来と感じた。とはいえ、いくらポンドが安くなっても、英国留学にはやはり年間30万元(約420万円)はかかる。そこで両親と相談し、留学先をオーストラリアに変えることにした。

 昨年5月に比べると、オーストラリアドルは3割ほど安くなった。オーストラリア留学は1年前なら年間25万元(約350万円)ほど必要だったが、今なら15万元(約210万円)もあれば事足りる。「英国の40万元でもオーストラリアの25万元でも、我が家には負担が大きすぎた。でも15万元なら何とかなると思った」と、王振は話す。

 こうして、彼は晴れてオーストラリア留学に旅立ったのである。

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