米インターネット検索大手グーグルの市場独占に対する不満が高まっている。例えば、数百万冊に及ぶ書籍をデジタル化しようという同社の試みが訴えられている。今年初め、訴えた著者や出版社との間で暫定和解に漕ぎ着けたが、現在、司法当局がその合意によって同社が書籍の内容の大部分を商業利用する独占権を手に入れることになるかどうかを検討している。
広告主も憤慨している。グーグルが検索広告で大きなシェア(米司法省によると70%以上)を握っているため、広告主側は交渉力を持てないというのだ。さらにこのほど、市場支配力を行使して競合企業を押し潰したとして、訴訟も起こされた。
マイクロソフトの教訓に学ぶ
米国では合法的に独占企業になることは可能だが、グーグルのような大手の動きをライバルと当局とが手を組んで封じることはよくある。同社は実際、それを昨年11月体験した。ヤフーとのネット広告提携をやめるよう司法省から圧力がかかった時だ。
一層のトラブルを避けるためグーグルは、従来からのモットー「Don t be evil(邪悪になるな)」を掲げるだけでなく、それ以上のキャンペーンを全力で展開し始めた。同社幹部が広告主や記者、学界関係者、政治家に対して、グーグルは圧倒的優位にいるものの、恐れられるべきではなく愛されるべき存在である理由を説明しているのだ。
グーグルがこうしたご機嫌取り作戦を展開するのは、10年前にマイクロソフトが同じような批判に対して誤った対応を取った、との認識がグーグル社内にあることが一因だ。
司法省は1998年、独占力を乱用してパソコンのOS(基本ソフト)やブラウザーにおける競争を妨げたとしてマイクロソフトを提訴、同社の分割案まで浮上した。マイクロソフトは当時「批判を真剣に受け止めなかった」とグーグルに在籍する弁護士で独占禁止法の責任者であるデーナ・ワグナー氏は指摘する。「政策決定者を軽く見ると、大きな代償を払うことになる」。
オバマ政権がグーグルの分割を考えるとは誰も予想しないが、司法当局による調査は幾つかの問題を生むだろう。サンフランシスコのネット関連アナリストのグレッグ・スターリング氏がこう疑問を投げかける。「大変な成功を収めてきた企業だが、この先どう前進すべきなのか。ライバルに資金提供したり、利益の追求をやめたりするはずはないが、一体どうするのだろう」。
以前、司法省の独禁法担当部署にいたワグナー氏は、グーグルが自社の考えをもっとうまく説明する必要があると言う。状況は緊迫している。2月17日、企業間ウェブ検索サイト「ソースツール」を運営するトレードコメット・ドット・コムが、他検索サイトとの「競争の芽を摘もうとした」としてグーグルを提訴した。告発の中心は両社のビジネスモデルの核心そのものに関わる。それは、指定した検索キーワードが入力された時に「スポンサーリンク」と呼ばれる広告を表示させるキーワードの販売である。
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