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ソニー、米IBMから役員を迎える意味

ジョージ・ベイリー氏は改革の旗振り役に

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2009年5月22日(金)

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Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)
米国時間2009年5月15日更新 「Sony Snags IBM Tech Guru George Bailey

 数カ月ごとに利幅の薄い新製品を大量生産するのはもうやめるべきだ――。ジョージ・ベイリー氏は米IBM(IBM)の上級幹部として、日本のエレクトロニクス企業に何度もこうした助言をしてきた。代わりに勧めたのは、これまでにない斬新な製品の創造を目指し、技術やソフトウエアの総合的活用法を考えることだ。

 「デジタル家電製品は十分な記憶容量を持ち、申し分ない処理能力を備えている。不足しているのは、こうした電子機器の能力を統合し、生活や仕事のあり方を根底から変える斬新なアイデアだ」。2005年、ベイリー氏はIBMのポッドキャスト上でこう述べている。

 今後、ベイリー氏は新天地ソニー(SNE)でこうした弱点の克服を主導することになる。電子機器大手のソニーは5月15日、ベイリー氏が新設の「チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー」ポストに6月1日付で就任すると発表。ベイリー氏の起用により、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)は、世界的なハイテク大手数社の指南役を務めてきた経営と技術開発コンサルティングの専門家を社内に擁することになる。

 IBMとソニーはともに、ベイリー氏の移籍に関し、取材や個人情報の提供には応じなかった。ベイリー氏はソニーに引き抜かれる直前まで、IBMのマイクロエレクトロニクス部門を統括。それ以前は2008年まで5年間、IBMのエレクトロニクス産業コンサルティング部門でマネージングパートナーを務めていた。

 ベイリー氏はソニー復活に向け、どう取り組むのだろうか。IBMでの7年間の在籍中、同氏はセミナーやリポートでエレクトロニクス業界の問題点を指摘しているが、こうした指摘から多少のヒントが得られる。

 まず、電子機器同士の連動性を強化する技術ソリューションの開発を推進する可能性が高い。また、ソニーのゲームや映画、音楽などの豊富なデジタルコンテンツ資産の活用も進めるだろう。さらに、一般社員から斬新なアイデアや新規の事業機会を掘り起こすため、IBMが頻繁に実施していた大規模なブレインストーミング(集団発想)セッションをソニーでも試すかもしれない。

 2007年5月、ベイリー氏はIBMのポッドキャストを通じ以下の見解を示している。「かつて日本のエレクトロニクス企業は、製品の“カイゼン”の積み重ねでずば抜けた能力を発揮してきた。だが現在は、それとは全く違う、もっと画期的な変革をもたらす能力が求められている」。

技術系社員間のライバル意識による弊害

 ベイリー氏に課された任務は極めて厄介だ。今年度7兆3000億円の売上高を見込む巨大多国籍企業ソニーの構造改革の旗振り役である。とはいえ、同氏は待ち受ける課題を熟知している。

 4年前、ベイリー氏はIBMの別のポッドキャスト上で、ハイテク企業における技術社員間のライバル意識が、いかに社内の結束力低下とイノベーションの阻害をもたらすかを論じた。ソニーもこの問題に長年悩まされ、2005年半ばにストリンガー会長がトップの座に就任してからも、改革を妨げる要因となってきた。

 ソニーの近年の苦闘ぶりは、多くの証拠が物語っている。以前はエレクトロニクス業界のトップ企業として君臨したソニーも、今ではサービスやデザイン、価格面でより優れた製品を擁する競合企業に対し劣勢を強いられているのだ。

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