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核実験?ロケット?騒ぐだけでは北朝鮮の思う壷

日本は、そろそろ“ゲームのルール”に理解を

  • 菅原 出,瀬川 明秀

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2009年5月26日(火)

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 2001年1月のブッシュ政権誕生からワシントンや中東で取材を続け、日経ビジネスオンラインでも随時、分析記事を寄稿していただいている菅原出氏が最近、ブッシュ政権の8年間、とりわけイラク戦争を総括された本『戦争詐欺師』を出版されました。

 この戦争を巡る政権内の政策闘争や、政策に影響を与えるべく暗躍した亡命者、ロビイストや情報詐欺師などの姿を通して、ワシントンの政策決定過程の舞台裏を描いています。この取材を通じて見えてきたことを語ってもらおうと思っています。

 その中でも今回は2つの話をお願いしました。

 まずは北朝鮮のミサイル問題。北朝鮮はなぜミサイル発射をこの時期に行ったのか。このことを考えるために、ワシントンの政策闘争に詳しい菅原さんに、オバマ政権の安全保障戦略を整理していただこうと思います。

 そして連載2~4回目では2001年以降の米国の安全保障戦略の経緯を振りかえります。その中でも、“影の主人公”“米国をイラク戦争に引き込んだ男たち”、菅原さんが言う「戦争詐欺師」たちの話を中心に伺います。 最終回の今回は、米国の安全保障戦略が大きく変わっている今、日本の戦略転換についても考えたいと思います。


第1回「オバマに撃ち込まれた北朝鮮のミサイル」から読む
第2回「“戦争に引き込んだ男”アフマド・チャラビとは何者か」から読む
第3回「『事実』をつくった詐欺集団」から読む

オバマの戦略「目標は小さく」

 ―― オバマ政権は対イラン、対アフガニスタンでも各国との協調路線を発表しますね。ロシア、中国ともそうですよね。これまでの国際緊張関係がちょっと変わってくるんじゃないか、と期待する半面、一方で経済危機が引き金になって、世界各地の混乱が増える恐れもある。となると、各地の混乱が起きた時、米国はこれまでのような覇権国家的な振る舞いを取ってくると予想しますか。

菅原 出(すがわら・いずる)氏
1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェローを経て、現在は国際政治アナリスト。米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究が専門で、著書に『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)などがある。最新刊は『戦争詐欺師』(講談社)

 菅原 最近オバマ政権が発表した対アフガニスタン・パキスタン戦略。その前に明らかにした対イラク戦略でもそうですが、ベースにある考え方はリアリズム(現実主義)とプラグマティズム(実用主義)です。

 拙著『戦争詐欺師』で、9・11テロの直後にパウエル長官率いる国務省が当時打ち出した「統合戦略」について触れましたが、方向性はこれと同じです。

 対アフガン・パキスタン戦略を例に取ると、要するに「アルカイダを取り締まる」という限定された目標を設定することによって多くの国との協力体制を作っていくというものです。目標を小さく限定するというのは大事です。

 例えば、逆に対処する対象を「イスラム社会全体」に広げてみたり、目標を「アフガニスタンの民主化」のような遠大なものに設定してしまうと、利害関係のある国がたくさんありますから、多くの国々との協調路線を取ることはできなくなってしまいます。これはブッシュ政権がやった過ちの1つで、どうしても一国主義的にならざるを得なくなってしまいます。

 それともう1つは、いろんな国と協力し合い、協調しながら物事を進めるということは、いろんな国々の言うことに耳を傾け、彼らの言い分も聞き、その利益を尊重するということを意味します。

 アフガニスタンの問題で、パキスタンの言い分を聞き、それとは利害の対立するインドの言うことも聞き、ロシアや中国や欧州連合(EU)諸国やイランの言い分まで聞いていたら、とてもではないがその利害調整が大変で、限定された最大公約数的な共通目標しか立てられないですよね。

“ブルドーザー外交”への反省

 ブッシュ政権のやり方を思い出してもらうと分かりやすいと思います。イラクの現体制を強制的に変えて民主主義を導入し、それがイランやシリアの体制をも揺さぶり、同時にサウジアラビアのような国々の体制をも民主化の方向に変えていき、中東全体を民主化する。

 今振り返って見ますととてつもない大きな目標をぶち上げてしまったわけで、こんな路線と協調して一緒にやっていこうなどという国は少ないですよね。

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