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ドル円アンカー制でマクロ経済を安定

  • 吉田鈴香

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2009年6月9日(火)

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 前々回、「間近に迫るドル暴落?」の記事で、マンデル教授の理論を引用しつつ、近々ドルが暴落すると予想した。自由な市場に任せてきたからこそ、米経済はこれまで維持してこられたが、昨年9月の経済危機後は、それまでの3倍にも上るマネーサプライを行っており、故に下落する、という筆者の予想だ。

マンデル教授が唱えるドル、ユーロの2通貨固定相場

 予想通りと言うか、ムーディーズに続いて、スタンダード・アンド・プアーズによる英国債の格付けが引き下げられ、その影響が出始めた。5月25日に始まった米ドル債権の売却は芳しくなく、金利が上がっているようだ。ドルの他の主要通貨に対する水準が下落することはほぼ間違いないと、言ってよい。

 今回は、将来どうするかという課題に入りたい。マンデル教授は同じ講演の最後で、世界経済の今後についてこう語っている。

 ドルとユーロを国際為替市場のアンカー(錨)とする。それによって変動幅を設け、段階的に安定化を図れる。米財務省と米連邦準理事会(FRB)は天井値を1ユーロ=1.2ドルで落ち着かせることができるし、欧州中央銀行(ECB)は天井値1ユーロ=1.40ドルに設定できる。

 次に、日本円と中国元にも参加を促す。主要3通貨DEY(米ドル、ユーロ、日本円)圏を作ることで、ほとんどの通貨はDEYに連動する。現状の体制では2015年までドル市場、ユーロ市場、円など各種のアジア各国の通貨が団子状態になった市場との3極体制であるが、ドルとユーロ、円とを固定させることで、通貨体制は次のような再編が可能になる。

(1) DEYの為替相場と通貨方針の収斂
(2) DEYをプラットフォームに、金やほかの通貨をも使えるグローバル通貨(INTOR)ができる
(3) 国際通貨基金(IMF)理事国政府によってINTORの創設と批准ができる

 上記が、マンデル教授の説である。

生活レベルが同じ国との通貨統合を

 マンデル教授は述べていないが、通貨統合を考える時に何より重要なのは、同レベルの生活水準を持つ国との通貨同盟を結ぶことだ。通貨を統合するとは、血流を共有すること。その血流を使って投資を行う不安要素が少ないからである。

 その国の中であまねく生活水準が一定し、インフラが整っており、教育による格差があったとしても、地域格差がないこと。つまり、教育など社会サービスを提供することで個人の条件が改善されれば、高い水準の生活を送ることができる社会的環境が整っていること。これこそが大事なのである。

 仮に、生活レベルが違う国と通貨統合するとどうなるか。例えば、中国は沿岸部と内陸部とでは発展度合いに大きな格差がある。ユーロも同様である。

 マンデル教授が唱える「ドル―ユーロアンカー制」の不安な点は、その通貨を使う地域に格差があることである。ユーロはドイツとフランスが牽引する体制ではあるが、そこにはルーマニアやバルト3国など、経済力が中進国レベル、またはそれ以下の国力の国も含まれている。

コメント3件コメント/レビュー

ドル6、円2、ユーロ2という通貨バスケットを作ると為替相場はいくらで固定されることになるのでしょうか?単純計算の1ドル33円になるのでしょうか?バスケットと無関係に為替相場を決められるのか、ユーロのときはどうやったのか知りたいところです。(2009/06/12)

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いただいたコメント

ドル6、円2、ユーロ2という通貨バスケットを作ると為替相場はいくらで固定されることになるのでしょうか?単純計算の1ドル33円になるのでしょうか?バスケットと無関係に為替相場を決められるのか、ユーロのときはどうやったのか知りたいところです。(2009/06/12)

緊急避難策としての固定相場制は有効かもしれませんが、すぐに矛盾が拡がり破綻すると思います。金兌換の固定相場とか、実体経済を背景とした米ドルベッグ制ならば機能したかもしれませんが、実体経済の数倍のドル札・債券がばら撒かれてしまっているのが実態。誰が得だ損だ、でとても合意できないでしょう。それを乗り越える危機感を共有できれば可能でしょうが。(愚痩子)(2009/06/09)

奇想天外とは全く思いません。むしろ、バブルが崩壊した頃から、日本が生き残る道はそれしかないと思っていました。通貨だけなら、多くの国民、各種思想の方たちも受け入れられるでしょうし、実際今のままじゃ日本は消えて無くなります。唯一受け入れられないのは、公務員でしょう。彼らは、”無謬性”という世界の非常識に守られ、世界の常識である”自己責任”を受け入れられないからです。まずは、公務員の自己責任啓蒙から始めましょう。(2009/06/09)

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