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知識経済時代の新リサーチパーク

筑波研究学園都市のスタイルは時代遅れ?

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2009年6月9日(火)

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Pete Engardio (BusinessWeek誌、国際シニアライター)
米国時間2009年6月1日更新 「Research Parks for the Knowledge Economy

 米ノースカロライナ州の「リサーチ・トライアングル・パーク(RTP)」は50年前に開設されて以来、リサーチパーク(研究学園都市)の代名詞となってきた。準郊外にある美しく整備された広大なリサーチパークの敷地には低層の建物が立ち並び、近隣大学から生まれた有望なハイテクベンチャー企業の研究者らが、低賃料の狭い“インキュベーター(新事業支援施設)”と呼ばれる施設で終日研究に没頭し、毎晩、幹線道路の渋滞にもまれながら帰宅している。

 だが、このような従来型のリサーチパークは、世界ではもう時代遅れだ。世界各国が次世代の知識産業で優位に立とうとしのぎを削る中、新しいハイテク産業拠点がアジアから欧州、中南米に至る世界各地で誕生しており、不況もどこ吹く風の建設ラッシュが続いている。

 最近のリサーチパークは、米ノースカロライナ州のローレイとダーラムの近郊の松林を切り開いて開発された11平方マイル(約28平方キロメートル)もあるRTPのような、旧来の広大な敷地を誇るプロジェクトとは大きく異なる。最近のリサーチパークの多くは、旧市街の再開発地に建設され、近隣の住宅地や都市機能を包含した新しい地域社会を作り出す役割を担っている。

「新世紀都市」がスペインや韓国などに誕生

 例えばスペインの「22@バルセロナ」開発プロジェクトでは、古い歴史をもつバルセロナの綿工業地帯の115区画を、メディア・IT(情報技術)・医療技術分野の企業や研究機関、大学の研究所など、1000以上の機関が集まる国際拠点に変え、15年間で15万人の雇用創出を見込んでいる。

 韓国ソウルに誕生した135エーカー(約55万平方メートル)の「デジタルメディアシティー(DMC)」は、エンターテインメントやゲーム、双方向ワークプレースなどにおける最新技術の開発と普及を行う世界的な拠点となることを目指している。

 シンガポールは約100億ドル(約9700億円)を投じ、最新の研究開発施設と、バイオ技術や先端素材、医療サービスなどを生活の場で実証実験する“リビングラボ”の機能を兼ね備えた斬新なリサーチパーク「ワンノース」を建設中だ。

 都市計画の権威である米マサチューセッツ工科大学(MIT)のマイケル・ジョロフ教授は、こうした新世代のリサーチパークを「新世紀都市」と呼ぶ。6月1~4日にノースカロライナ州ローレイで開催される国際サイエンスパーク協会(IASP)の年次総会では、新世紀都市が数多く紹介される予定だ。

 ソウルのDMCをはじめ、英国やスウェーデン、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの同様なプロジェクトの顧問を務めるジョロフ教授は、「新世紀都市の狙いは、企業と大学が協力して次世代の労働者を育成できる場を作り、重点産業を振興することだ。新世紀都市は未来を創造する場所。そのため、自らが未来都市を実践しようとしている」と語る。

 特定分野に特化したリサーチパークも誕生している。フィンランドのボカッティにある「スノーポリス」では、フィンランドの企業や大学、教育機関が共同で、健康増進やスポーツ、寒冷地対策技術に特化した研究を行っている。

 繊維や家具、タバコ産業の衰退で打撃を受けている米ノースカロライナ州のウィンストンセーラムでは、再開発により都心地区の大部分が「ピードモント・トライアド・リサーチパーク」というバイオ技術産業の拠点に生まれ変わった。中でも誉れ高い入居機関は、患者自身の細胞から組織・器官を作り出す再生医療技術の先駆者、アンソニー・アタラ医師率いる、米国を代表する再生医療センターだ。

活力ある地域社会を構築する

 リサーチパークがどの産業分野に特化するかはさておき、今の時流は、辺ぴな土地に味気ない研究棟が立ち並ぶ団地ではなく、生き生きとした地域社会を構築することにある。

 現在、都市計画の担当者たちは当初のRTPの都市設計や、東京から電車で1時間かかる場所に、1万3000人の研究者が孤立した300棟の研究(R&D)施設で研究に没頭する「筑波研究学園都市」をまねようとはしない。

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