「韓国初の1兆ウォンベンチャー財閥 〜「アイオン」で大ブレークのNCソフト〜 」
「時価総額1兆ウォン(約780億円)」を突破したベンチャー企業が誕生した。ゲーム開発会社のNCソフトだ。
韓国の調査機関「財閥ドットコム」によると、キム・テクチン(金沢長)氏が保有するNCソフトの株式時価総額は5月15日時点で、1兆203億ウォンに達した。順位は8位。キム社長より上位には、サムスン電子グループ前会長のイ・ゴンヒ(李健熙)氏や、現代起亜自動車グループ会長のチョン・モング(鄭夢九)氏などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。
ゲーム開発事業で神話を作ったと評されるキム氏は、もともとはゲーム開発というよりソフトウエアの専門家だった。ソウル大学在学中は、同好会のコンピューター研究会で活躍。韓国語キーボードのタイピング練習ソフトとして知られる「ハンメ打字ソフト」も彼が開発した。
元はUNIXプログラマー出身
ソウル大学電子工学科に入学したキム氏は、周囲の友人が電子工学を勉強する間も、独りでソフトウエアのプログラミングに没頭した。大学2年の時にワークステーション用のOS(基本ソフト)であるUNIXが大学に導入されたが、当時、UNIXを使える人がいなかった。大学ではそのためUNIXを使える人を募集。これに応募し採用されたキム氏は、UNIXのプログラミングにかかわりながら時々、ゲームを楽しんだ。

大学時代「ネットハック(NetHack)」といったゲームをしながら「いつかはこんな文字のゲームも、画像で楽しめるようになるのではないか」との思いを募らせる一方、「ソフトウエア開発を通じて社会に貢献したい」とも考えるようになったという。
ソウル大学のコンピューター研究所でハングル用のワープロソフト「アレアハングル」の開発に参加したのも、社会に役立ちたいとの思いからだった。当時のパソコンOSはハングル文字に対応していなかったため、パソコンは一般の人々には使いづらいものだった。こうした障害をなくすべく創り出したのがアレアハングルだった。電子工学科の修士課程に進んだキム氏は当時、(専攻の)半導体の専門家というよりソフトウエアの専門家として知られていた。
「アレアハングル」開発後も様々なソフトウエアを開発したキム氏は、修士課程修了後、現代電子産業(現・ハイニックス半導体)に入社。半導体ではなくソフトウエア研究所に配属となり、その後、現代電子の米ボストンR&Dセンターに派遣された。そこで初めてインターネットに出合う。韓国でもネットが使えたらと思い研究を始め、ネット上の掲示板に利用者が韓国語でコメントを書けるシステムを開発した。
その後、独立して1997年、NCソフトを設立した。NCソフトはゲーム開発ではなく、ソフトウエア開発を手がける企業としてスタート。現代電子研究所で情報技術を研究していた10人余りのエンジニアを中心に、システム統合やホームページ制作などを請け負った。
1998年発売したゲームソフト「リニッジ」(注:日本市場でのゲームソフト名は「リネージュ」)もNCソフトが数多くの開発した製品の1つに過ぎない。だが、リニッジが爆発的なヒットとなったため、同社はゲームの開発に力を入れ始めた。それが、現在の巨大なゲーム制作会社、NCソフトの誕生につながった。
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