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インフレ到来? おののく資産家たち(前編)

マンション投機が再燃、現金から実物への乗り換えに狂奔

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2009年6月15日(月)

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経済観察報記者 張斌/陳周錫/孫健芳

その日の早朝、浙江省温州市の新築高級マンション「香テイ半島」の販売センターの前には5000人余りが詰めかけ、物件の売り出し開始を待っていた。

 「売り出されたのはわずか200戸。そこに、まるで白菜でも買うように我先に人々が押し寄せた」。長年不動産に投資してきた蒋は、コネを駆使してようやくこのマンションの1部屋を確保することができた。

*ものが飛ぶように売れる様を形容する表現。かつての中国では、晩秋になると各家庭が冬場の食料不足に備えて大量の白菜を買い込む習慣があったことにちなむ。

 「1000万元(約1億4000万円)前後の高級物件に投資するつもりだ。良い出物があればもっとつぎ込んでもいい」。そう話すのは、最近あちこちでマンションの下見をしている鄭鳴だ。必要な頭金の大半は自分が経営する会社から出すつもりだが、銀行融資も利用するかもしれないと話す。

富をインフレから守る防衛戦が始まった

 「彼らのように余裕資金のある企業オーナーは、マンションや鉱山などへの投資のほか、金や銀などの貴金属を買い込んだり、闇金融業者に資金を貸し出したりしている。その目的はインフレ対策だ」。中科智担保グループの総経理(社長に相当)で、中小企業向けの金融サービスを手がける魏勇一はそう解説する。

 今年初めまで、企業オーナーたちの誰もが「現金こそ王様」だと信じていた。ところが、政府が(景気テコ入れのため)通貨の“放水”を続け、流動性が急増したため、資産価格は上昇に転じた。インフレの影が忍び寄る中、現金保有は再び最も安全性の低い選択肢になってしまった。

 不動産、貴金属、株式、芸術品、企業買収――。これらへの投資はいずれもリスクを伴う。だが、何かを選ばざるを得ない。富をインフレから守るための防衛戦が、今まさに始まろうとしているのだ。

 河北省秦皇島市から車を飛ばして2時間余り、武歌は北京大学のキャンパスに駆けつけた。その目的は、たった2時間のマクロ経済学のセミナーを受講することだった。

*中国最大の石炭積み出し港がある港湾都市。石炭の取引で富を築いた資産家が少なくない。

 「先行きが不透明でとても迷っている。手元にいくらか資金があるが、どこに投資するのがよいか分からない。銀行に預けておくと(インフレで)いつ大幅に目減りするかもしれず、良い方法とは思えない。そこでいろいろなセミナーに参加し、進むべき方向を模索している」

 そう話す武歌によれば、彼と同じ心境の人は少なくなく、中には投資グループを結成する者もいる。その多くが中小企業のオーナーだという。

 まだ迷っている武歌と違い、鄭鳴のような温州の企業オーナーたちは既に行動に移っている。

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