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命懸けの「工場閉鎖」、一人歩きもままならない

不況と政争に揺れ、治安が悪化する広東省

2009年6月22日(月)

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 「夜10時以降は1人で外出しないでください。それから、移動にはなるべく会社の車を使うように。会社の車の運転手は大抵、公安に知り合いがいますから、何か起こっても大丈夫です。あとは、決して窓を開けないことです」

 これは、広東省の広州市と深セン市の間にある東莞市に住む中国人の友人の忠告である。

 彼は、残業をして夜9時過ぎに工場から会社の車で自宅に戻る途中、こんな恐ろしい事件に遭遇したそうだ。

車を止められ、ドアをこじ開けられる恐怖体験

 白いフォルクスワーゲン「サンタナ」が追い越していったかと思うと、前に割り込んで急停車し、車を止めさせられた。そして、やにわに降りてきた男が彼の車のドアをこじ開けようとした。即座に運転手が携帯電話で公安の知り合いに連絡を取り、その気配を察した男は慌てて立ち去った。

 「3年前までは、こんな状況ではなかったのですが」。こう言って眉をひそめるのが、同じく東莞市のある区の共産党副書記だ。

 経済の急成長が続き、まさに繁栄を謳歌していた時期、東莞市の繁華街は不夜城のようで、安全性も高かった。治安が悪化し始めたのは、2008年9月の「リーマンショック」の頃ではなく、景気過熱に伴う引き締め政策の効果が浸透してきた2007年の秋頃だった。

 そして2008年に施行された労働契約法の改定が治安悪化に輪をかけた。従業員の終身雇用を強いられそうになった企業が、相次いで社員の削減を始めたため、街に失業者があふれた。だから、世界経済不況は治安悪化の直接の原因ではなく、「首吊りの足を引っ張った」だけだというのである。

凶悪化する犯罪、過激になる風俗サービス

景気が悪化すると、物ごいやゴミあさりをする人が増える(深セン市内)
画像のクリックで拡大表示

 日本から中国華南地方の工業都市に行く場合、広州まで国際線の直行便に乗り、そこから車で移動する方法はごく一般的だ。経費削減に追われる日系企業の従業員の中には、その時、広州から公共バスを使う人も少なくない。しかし、車内では置き引きやスリが多発しており、技術情報などが入ったパソコンを盗まれる事件も頻発している。

 それだけではない。殺人事件も目立ってきた。

 今年4月には、東莞市の高級マンションで、電子部品工場を経営する香港人が刺殺された。同じような事件は、この月だけで4件発生したという。被害に遭ったのはこの香港人以外に、中国人の経営者2人、台湾人1人である。いずれも工場を閉鎖し、夜逃げを準備していたところだったと言われる。

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