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現代版「科挙」の勝者の進路希望

ズレがある、国家の“期待”と本人の“希望”

2009年6月19日(金)

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 2009年の全国統一大学入試、“普通高校招生全国統一考試”(以下「大学入試」)は6月7~9日の3日間実施された。

 今年大学入試への参加を申し込んだ受験生の総数は約1020万人、これに対して入学枠は629万人であるから受験倍率は1.62倍である。なお、この内、今年の高校卒業生は750万人で、全体の73.5%を占めている。2008年の受験申込者総数は1050万人であったから、今年は受験申込者が30万人減少したことになる。

超難関試験、“科挙”の仕組み

 中国で現在の全国統一大学入試に相当するのは、隋代(581~618年)に始まり清代の光緒31年(1905年)まで続いた科挙の試験であった。

 明代および清代の科挙制度によれば、科挙試験は、第1段階の“院試”(府・県レベル、合格者は“秀才”)、第2段階の“郷試”(省レベル、合格者は“挙人”)、第3段階の“会試”(中央レベル、合格者は“貢士”)、第4段階の“殿試”(皇帝レベル、合格者は“進士”)の4段階に分かれていた。

 科挙試験の受験生は各段階を経るごとに篩(ふる)い落とされるが、“挙人”から“貢士”になるのは難関であり、“貢士”から“進士”になることは至難であった。

 その最難関である“殿試”に合格した“進士”の成績優秀者上位3人は、それぞれ第1位を“状元(じょうげん)”、第2位を“榜眼(ぼうがん)”、第3位を“探花(たんか)”と呼ばれて称賛され、“三甲鼎”と総称された。

 “三甲鼎”となったことは高級官僚としての将来が約束されたことを意味するもので、本人の栄誉のみならず、両親への孝行、家族や一族の名誉でもあり、繁栄を保証するものでもあった。

 “三甲鼎”の合格者はそれぞれ“状元”“傍眼”“探花”と大きな文字で書かれたプラカードを押し立てて行列を連ねて生まれ故郷へ錦を飾るのが慣例であった。

入試で最高点を取った超エリート“状元”

 さて、中国では今なお大学入試で最高点を取った第1位の受験生を“状元”という歴史的な称号で呼ぶ習慣があるが、2009年5月14日、インターネットサイト「中国校友会ネット」は最新の「中国大学入試状元調査報告」を発表した。

 この調査報告は2007年から毎年1回のペースで発表されているもので、過去の大学入試で“状元”となった人たちのその後に関する追跡調査の結果報告である。中国の大学入試は“文化大革命”(1966~76年)期間中は中断を余儀なくされ、1977年から再開されたが、今年の調査報告はこの大学入試再開から2008年までの32年間の状元を対象としている。

 なお、ここで言う“状元”とは全国統一大学入試の実施区画である一級行政区の省・自治区・直轄市ごとの成績最優秀者を指す。現在、中国の一級行政区は、22省、5自治区、4直轄市(従来四川省に属していた重慶市は1997年6月18日に直轄市となった)、2特別行政区(香港およびマカオ)で構成されるが、この調査にはチベット自治区、香港およびマカオは含まれていない。従い、調査対象となった一級行政区数は1997年までが30カ所、1998年以降は31カ所だが、各地区ともに同点トップが複数存在するので状元の人数は一定しない。

進学先の双璧、「北京大学」と「清華大学」

 2009年の調査報告の概要は以下の通りである。

(1) 大学入試“状元”が進学した大学(1999~2008年)

  第1位:北京大学  385人
  第2位:清華大学  255人
  第3位:香港大学   18人
      (香港大学は2005年から中国本土の学生の募集を開始)

 中国の最高学府の双璧である北京大学と清華大学に状元たちが集中するのは当然なことかもしれないが、それにしても第3位以下との格差が激しい。2008年に発表された「中国大学入試状元調査報告」の1999~2007年の調査結果と比較すると、2008年に北京大学へ入学した状元は38人、清華大学は22人、香港大学が5人という結果になっている。

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「現代版「科挙」の勝者の進路希望」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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