• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

米IBM、次世代電池開発に名乗り

リチウム空気電池で電池技術の主導権をアジアから米国に奪還する

  • BusinessWeek

バックナンバー

2009年6月30日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Steve Hamm (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
米国時間2009年6月23日更新 「IBM Aims for a Battery Breakthrough

 IT(情報技術)大手の米IBM(IBM)が、将来の交通手段に欠かせない電池技術の分野でも主導権を握るべく、次世代電池の開発に乗り出すという。

 IBMは6月23日、現在のリチウムイオン電池に比べ10倍のエネルギーを蓄えられる充電池の開発に向けた、長期的な取り組みを発表。現在の電気自動車の走行可能距離は1回の充電で50~100マイル(約80~160キロメートル)だが、この距離を300~500マイル(約480~800キロメートル)まで伸ばせる充電池の開発を目標としている。

 研究開発部門であるIBMリサーチのアルマデン研究所(米カリフォルニア州サンノゼ)で科学技術部を統括するチャンドラセカール・ナラヤン氏は、「従来とは大きく異なる斬新な電池技術の開発を目指す」と語る。

 この目標の実現に向けて、IBMが産学連携で取り組むのは、リチウムと酸素の組み合わせによるリチウム空気電池の開発であり、現在のハイテク家電や、実用化が始まった電気自動車用バッテリーで主流になっている、発火などの危険性があるリチウムイオン電池ではない。IBMはこのリチウム空気電池を、送電網での電力貯蔵に活用することも想定している。

 さらに、IBMのもう1つの大きな目標は、電池技術の主導権をアジアから米国に奪還することだ。ノートパソコンや携帯電話の電力供給に使用されている現在の充電池は、かつて米国で大幅な技術的進歩を遂げたものだ。しかし今や大半が、日本や韓国で生産されている状況だ。

 米産業界の有力者は、小型自動車の主流動力源のガソリンから電気への移行という、技術史上の重大な転換期において好機を逃すまいと、こうした幅広い産学連携による取り組みを以前から呼びかけていた。現在は中東の石油に依存する米国が、今度はアジア製の車両用電池に依存することになるのではないかとの懸念があるのだ。

 米半導体最大手インテル(INTC)のアンディ・グローブ元会長は、「米国は1970年代に電池技術における主導権を失った。今後、将来を左右するのは電池技術だ。今すぐ行動しなければ、我々は未来を中国や日本に奪われることになる」と警鐘を鳴らす。

GEも電池開発競争に参戦

 IBMのリチウム空気電池開発への取り組みは、アルマデン研究所が今後取り組むべきイノベーション課題の選定のために昨年末に実施した社内コンテスト「グランドチャレンジ」から生まれたものだ。現在、この技術の開発には、米国の5つの国立研究所に加え、米カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)などの大学が協力している。

 今年8月末にIBMが開催を予定しているこのプロジェクトに関する会議には、トップクラスの科学者や電池開発の専門家など300人近い有識者の参加が予定されている。米エネルギー省は、IBMが中心となって取りまとめたこの事業の計画書を審査しており、同省の認可が下りれば、景気対策法に基づく研究助成も受けられる。

 米国の大手企業で新たな電池技術開発に積極的に乗り出しているのは、IBMだけではない。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は5年間で1億5000万ドル(約144億円)を投じ、機関車や送電網用の大容量ナトリウム電池の開発を進めている。また、GEは、プラグイン電気自動車用のリチウムイオン電池を製造する米新興電池メーカーのA123システムズにも出資している(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2009年5月20日「米GE、次世代電池に投資」)。

コメント2件コメント/レビュー

蓄電できる電力量から言えば、リチウム空気電池が最有力候補であるのは間違いない。が、レアメタルであるリチウム、資源量は限られる。海水からリチウムを取り出すために膨大なエネルギーを消費しては元も子もないし。携帯機器を動かすのに必要な量とは桁が何桁も違う動力用途で主流になれるのだろうか?リチウム価格の高騰や乱採掘での環境破壊も心配。あまり思い込まない方が良いと思う。(愚痩子)(2009/06/30)

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

蓄電できる電力量から言えば、リチウム空気電池が最有力候補であるのは間違いない。が、レアメタルであるリチウム、資源量は限られる。海水からリチウムを取り出すために膨大なエネルギーを消費しては元も子もないし。携帯機器を動かすのに必要な量とは桁が何桁も違う動力用途で主流になれるのだろうか?リチウム価格の高騰や乱採掘での環境破壊も心配。あまり思い込まない方が良いと思う。(愚痩子)(2009/06/30)

リチウム空気二次電池に関しては、日本でいくつもの世界最先端(最高レベル)な研究結果が発表されているが、実用に向けた取り組みがまだ見られない。一方、諸外国は死ぬ気で国を挙げて動いている。今のまま、エコカー補助のようなその場しのぎの後ろ向きな事ばかりにお金を無駄につぎ込んでいると、日本は世界から置いていかれる。メーカーも国も、とにかく先に進む覚悟が必要です。(三菱自工のように)特に利権を求めたがる官僚たちを排除することが重要で、これが出来ないと世界のスピードに置いていかれます。それが、生き死にを決します。(2009/06/30)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授