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政府より強い自民党。問題は「党則」にあり

シリーズ「政界ガラガラポン」(1)

  • 吉田鈴香

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2009年7月7日(火)

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 どうやら麻生太郎首相は、解散の勝負に出ることなく、「流れ解散」する気配濃厚である。判断力がないために解散すべき時期を読めず、党人事の改革も結局着手できずに終わった。首相の無能ぶりを見るたびに、有権者の心は揺れる。自民党はダメ、さりとて民主党も郵政復活などと言い出すし、金がらみの汚点が見える。さて、どうするか。

 視線を少し先に置けば分かる。この局面は、歴史的な政界大再編を一気に進める好機だ。ホップ、ステップ…などではなく、一気呵成に「政界ガラガラポン」である。今回から数回のシリーズ「政界ガラガラポン」で、その「勝負の世界」に足を踏み入れていきたい。

 現憲法施行から現在まで、内閣総理大臣の任期満了に伴って総選挙に突入したのは、ただ1度だけである。1976年12月5日の三木武夫内閣の下で行われた第34回総選挙だ。衆議院はこれまで44回選挙が行われているが、どうやら、麻生首相は記念すべき戦後2人目の満期終了者になる様相だ。

 1976年、当時の三木首相は任期満了以前に解散を望んでいたにもかかわらず、党内から「三木降ろし」を受け、その手で解散を実行できなかった。前回選挙との間にロッキード事件があったため、有権者は自民党に対して大いに批判的。総選挙をしても負ける公算が大きく、自民党はなかなか解散したがらなかった。案の定この選挙で自民党は、結党以来初の過半数割れを喫し、三木内閣は退陣した。その後、無所属議員追加公認で過半数を確保した。

 総選挙の前、7月12日に予定されている都議会選挙では、自民党の大敗は目に見えている。その波が総選挙でも襲ってくるに違いないと、恐怖におののき解散を宣言できない麻生首相の苦しさは、当時の三木氏に勝るとも劣らないことだろう。この麻生首相の心理を、宮崎県知事の東国原英夫氏は読み切っており、「自分を総裁候補にするならば」と冗談めかして、天下取りの野心があることを表明した。おおむねこれは、彼の本心だろう。

政府に勝る自民党、ここが問題

 通常、政治とは内閣が方針を決定し、行政機関である省庁が実行する。党と政府とは全く別物である。ところが戦後の日本の政治は党と政府が一体化し、与党が非公式の政府、政府(内閣)は公式の政府であり続けた。しかも、非公式政府である自民党の方が、公式政府(内閣と省庁)よりも強い権限を持ち続けてきた。政策の審議や決定過程においても、内閣の交代においても、自民党が上位に君臨してきたのである。

 権力の強さの順は、「自民党>各省>内閣総理大臣>内閣」となっている。以下、その仕組みを説明しよう。

(1)自民党の総裁と内閣総理大臣の任期が一致しないこと

 自民党の党則第八十一条によって、総裁は、1期3年を連続2期は続けることができると決められている。つまり6年の寿命だ。他方、衆議院の任期は4年。この4年の間に必ず首相が交代することになる。選挙時に国民が投票した自民党の最高責任者が、自民党の都合で勝手に代わるのである。

 前回の選挙で、有権者は郵政民営化に賛意を表し、大勝ちさせたが、多大なる国民の負託を受けた肝心の小泉純一郎氏は、2006年の9月に自民党総裁の任期が終わってしまい、その地位を降りていた。内閣総理大臣の任期自体は制限がないにもかかわらず、母体である自民党の理由で退任した。あの時、選んだ党首は、今や影の薄い人物になってしまった。

 事態がのみ込めなかった筆者は、やがて気がついた。自民党の党則が党総裁の任期を規定していることに。選挙と与党総裁の任期は関連していないのだ。自民党は自民党で自分たちの総裁を選び、総理大臣として繰り出してやり、内閣を作らせる。自民党が内閣を支配するという構図なのだ。

 議院内閣制にあって、国民が意思を表す方途は、選挙である。従って、本来新しく与党の総裁が就任した時点で、直ちに議会を解散して総選挙を行い、国民の信任を得る必要がある。「この人をリーダーに政府を作っていきますよ」と。それでこそ、「国民が選んだ政権」となるはずだ。しかし現実には、自民党の新総裁が決まっても、総選挙に持ち込まれたことは一度たりとてない。

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