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暴走する“銀信政”の錬金術(前編)

地方政府のインフラ建設投資にバブルの懸念

2009年7月8日(水)

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“銀信政”錬金術

財経記者 張宇哲/張曼/方会磊

5月初め、河北省農村信用社聯合社が計画していた総額300億元(約4200億円)規模の金融商品が、当局からストップをかけられる事件が起きた。その理由は、農村信用社の貸付用途にそぐわないというものだった。

*農村信用合作社は中国の農村部で預金や融資を行う地方金融機関。日本の信用組合や農協の金融部門に相当する。聯合社は複数の合作社による省や地域レベルの連合機関。

 それは、よくある見慣れた金融商品ではなかった。投資家から集めた資金を、一種の迂回ルートを通じて最終的に河北省各地のインフラ建設プロジェクトに投資する。300億元のうち80億元(約1120億円)は石家荘市(河北省の省都)のプロジェクトに向けられるはずだった。

 この金融商品は、中信信託(大手金融グループ、中信集団の傘下の信託会社)が発行した信託商品の購入を目的にしていた。さらに、中信信託は石家荘市政府の資金調達の受皿会社である石家荘発展投資の株式に投資する計画になっていた。

*中国の地方政府は法律で赤字予算の策定が禁じられ、地方債の起債も厳しく制限されている。このため、地方政府は「城市建設投資公司(都市建設投資会社)」と呼ばれる直轄企業を設立し、政府保証による銀行融資や社債発行で公共投資の財源を確保している。こうした政府系の受皿会社は実態が不透明で、銀行の不良債権や不正の温床になりやすいと指摘されている。

銀行、信託会社、地方政府の3者連合で資金調達

 同じ5月初めには、石家荘市政府の国有資産監督管理委員会、受皿会社の石家荘建設投資集団、中融国際信託(黒竜江省政府系の信託会社)の3者も、資金調達の枠組み協定に調印している。3期に分けて50億元(約700億円)の信託資金を募集し、石家荘市の都市整備、インフラ建設、産業プロジェクト、国有企業改革などに投資する。この資金も出所は銀行の金融商品だ。

 これらの信託資金の満期は2~3年。石家荘市政府にとって、それはインフラ建設プロジェクトを進めるために極めて重要な財源である。と言うのも、河北省では2009年に2607億元(約3兆6500億円)を投じて1515件の都市再開発プロジェクトを行うことになっているからだ。

 石家荘市だけでも、来年と再来年の2年間に146件、総投資額1111億元(約1兆5550億円)のプロジェクトが計画されている。石家荘発展投資と石家荘建設投資の2社は、財源確保のための受皿会社として、いかに資金を集めるかが焦眉の急なのである。

 現在、石家荘市には政府系の受皿会社が6社ある。前述の2社以外にも、都市建設、土地開発、財政貿易、交通の各部門がそれぞれ1社ずつ投資会社を持つ。石家荘建投投資の関係者によれば、これら6つの受皿会社には、土地開発、都市建設、国有資産運営という3つの機能があるという。

*農地などを工業や住宅用途に使えるよう基盤整備し、建物を建設し、その運営を行うところまで手がけるという意味。

 受皿会社が持つ数々の資金調達手段の中でも、銀行、信託会社、地方政府という“銀信政”の3者連合による資金調達が爆発的に拡大している。2008年に雲南省昆明市で初の“銀信政”商品が開発されて以来、その手法が全国各地で模倣されるようになった。2008年にインフラ建設に投じられた信託資金は、年間の総信託資金の14.5%を占めたというデータがある。今年は地方政府によるインフラ建設プロジェクトが加速しており、この比率は30%超に上昇すると言われている。

 中国銀行業監督管理委員会(中央政府の銀行監督部門)の関係者によれば、今年1~3月の“銀信政”商品の販売規模は既に1000億元(約1兆4000億円)余りに達し、信託会社の主力業務になりつつあるという。

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