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暴走する“銀信政”の錬金術(後編)

リスクを増幅させる銀行、信託、地方政府のもたれあい

2009年7月9日(木)

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“銀信政”錬金術

財経記者 張宇哲/張曼/方会磊

前編から読む)

「“銀信政”商品の投資対象は非常に弾力的だ。橋であったり、道路であったり、産業であったり、地方政府の需要に基づいて投資先が決められる。これらは中央政府の“4兆元プロジェクト”とは無関係であり、地方政府自身が計画したプロジェクトがほとんどだ」。石家荘市政府系の受皿会社、石家荘建設投資の関係者はそう語る。

*中国政府が昨年11月に打ち出した総額4兆元(約56兆円)の景気刺激策のこと。このうち1兆1800億元(約16兆5000億円)を中央政府が支出し、残りは地方政府や国有企業が負担する計画。

 信託会社と地方政府の連携は、必ずしも目新しいものではない。信託商品に関する調査やコンサルティングを行う用益信託工作室の首席アナリスト、李暘によれば、最近の“銀信政”商品と従来型の“信政協力”商品の違いは主に次の2つだという。

 第1に、従来型の“信政協力”商品では、資金の用途はどれも具体的なプロジェクトだった。これに対し、新型の“銀信政”商品では、投資先のほとんどが政府系の受皿会社になっている。第2に、今回の“銀信政”商品ブームでは、銀行が積極的に参画し事実上の主導者になっている。おかげで商品の規模が急拡大し、1件当たり数億元から数十億元に達している。

規制が緩いうちに慌てて資金を確保

 「銀行は地方政府系の受皿会社に対し、直接融資できる案件には融資を実行し、融資できない場合は“銀信政”商品を利用している」

 地方政府のプロジェクトと銀行のかかわりについて、中国工商銀行(4大国有商業銀行の1つ)のある関係者はそう打ち明ける。

 “銀信政”商品は、建前上はまず信託会社が政府系受皿会社に投資や融資を行い、その資産をベースに銀行が投資家から資金を募るという順序になっている。しかし実態は、銀行と受皿会社が資金調達額を先に決めたうえで、信託会社に協力を要請している。

 この市場に最初に進出したのは地方の商業銀行だった。「地方銀行は地方政府の要請を受け入れやすい。4大国有商業銀行は本店に報告して指示を仰がなければならず、意思決定に時間がかかる」。投資コンサルティング会社、中誠信財務顧問の総裁で、数多くの地方政府のために“銀信政”商品の設計にかかわってきた劉洪は話す。

 これまでに発行された“銀信政”商品は、ほぼすべてが元本非保証の利回り変動型財テク商品である。発行は銀行所在地の銀行業監督管理委員会の出先機関に届け出るだけでよく、許認可の必要はない。一般的には、準備を始めてから発行するまで最長2カ月で済む。このような規制の緩い“準地方債”が、地方政府に大歓迎されたのは当然だろう。

 「中央政府のマクロコントロールが実施されると、この種のスキームはやりにくくなる。規制が緩やかな今のうちに、誰もが慌てて資金を確保しようとしている」。ある地方政府の関係者は、個人的見解と断ったうえでそう語った。

*景気過熱時に発動される引き締め政策のこと。銀行融資の総量規制や特定分野への融資制限など強い強制力を伴う。

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