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民主第一党でも不安。人材不足が最大の問題

シリーズ「政界ガラガラポン」(2)

  • 吉田鈴香

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2009年7月14日(火)

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 前回から「政界ガラガラポン」シリーズを始めた。歴史的な政界大再編の時機を迎えて、問題の背景と論点を整理することで、有権者の声が最大限に反映できる環境を作るのが狙いだ。今回は、全く新しい政府の創設と参加型政治の実現のために、人事制度の提案をする。

 12日に行われた都議会選挙では、定数127のところを民主党は54議席を獲得し、確かに第一党となったが、単独過半数を取るまでにはいたらなかった。与党(自民、公明)も61議席と、過半数に達しなかった。つまり事態は混沌としている状態であって、民主党もまだ確実な権力を手にしきってはいない。民主党がこれを確かなものにできるかどうかが、本格的な政権交代に向けての総選挙の位置づけであると、筆者はとらえている。

 さて前回の記事では、「自民党>各省>内閣総理大臣>内閣」となってしまっていることの大きな要因が、党則にあると指摘した。さらに大きな根源的問題は、党則だけではなく意思決定の流れとスケジュールが固定してしまっていることにある。

 近代的な政治を作っているように見えて、その実国民は、流れに浮かぶ木片になったような無力感にとらわれている。国民を木片にしているものとは、族議員によってできている政治の意思決定の流れだ。この3年間の流れを見てみよう。

族議員による意思決定の流れが問題

 族議員が自民党総務会と部会で意見を述べ、それが党の政策として省庁にわたる(前回参照)。各省庁は紙に起こして政府の政策案とし、6月に「骨太の方針」として正式に政策として発する。翌7月のサミットに首相が出席し、役所の定期的な人事異動で、それまで首相の近くで仕事をしていた役人は入れ替わる。9月に首相の辞任表明、そして首相交代。年明けに予算国会を開くが、首相は自分が総裁ではなかった時の政策を自分の内閣の政策として説明しなくてはならず、苦しい答弁になる。3月、補正予算の審議が国会で行われる。

 安倍晋三氏が首相の時代からこの流れが固定しており、その後誰が首相になっても変わっていない。前首相の決めた予算について答弁する苦しさを味わい、同じことを後任に課すことの繰り返しだ。

 次期選挙では、民主党が第一党になることはほぼ間違いないだろう。しかし、自民党から民主党に代わっても、前述の流れが繰り返される限り、同じ轍を踏むことになる。これを断ち切ることが、次期政府の最初の課題である。

 民主党の菅直人氏は、「政権を取ったら、政府に100人の政治家を送り込む」と表明している。役人に支配される政府を作りたくない、という意図によるのだろう。やり方によっては、前述の政治の流れを変えることになる。特に新首相就任後の100日間、つまり9月から12月は、可能な限り政府に人を入れて、審議を主導する体制を作ることが肝要だ。

 しかし現実に、民主党に省庁を指導できる政治家が100人もいるだろうか。政権党になったことがない民主党の政治家はおろか、民間においても、政策研究において対案を出せるほどの人材はあまりいないように思う。

 なぜなら日本のシンクタンクとは、役所が公募した案件をその意図通りに文字と絵図に起こしていく仕事をしているに過ぎず、公示前の役所の狙いに影響力を及ぼしたり、必要な政策について事前に知恵を供与したりすることがほとんどない。政策が政治プロセスの中だけで決まっていくことを認識せずに、時折外から政策を評論しても、官僚にしてみれば「使えない」のである。

 民間のシンクタンクが機能を発揮できるのは、雇用が流動化して人材が流通する時に、雇用を引き受けたり供給したりする受け皿になれることにある。シンクタンクにこうした受け皿になってもらい、民主党の政治任用も同時にやってもらえば、有為な人材が行き場を失うことなく次期政権での出番を待つことができる。

 米国では、政権交代に伴って政策プランナーの入れ替えがあるのが普通なので、リボルビング雇用機能が民間側に備わった。ところが、日本では政権交代がほとんどなかったために、シンクタンク機能は霞が関が戦後一貫して独占してきた。民間人のポリティカル・アポインティー(政治任用)と言われても、準備が整っていない。

 そこで筆者は、人材の公募を提案する次第である。

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