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ウイグル族と漢民族は相容れないのか

「少数民族優遇」を食い物にした漢民族の詐欺行為

2009年7月17日(金)

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 中国国営通信社「新華社」は2009年6月28日付で、「重慶市の文科系“状元”(試験成績第1位)が民族変更で加点詐欺、父は県大学入試事務所主任」というニュースを報じた。

 6月7~9日に行われた全国統一大学入試(以下「大学入試」)において重慶市で文科系の“状元”となった受験生がその所属する民族を“漢族”から少数民族に変更して試験成績に加点を受ける資格を得ていた。呆れたことに、その父親は県大学入試事務所の責任者であることが判明した。

 (筆者注)中国語の“漢族”を日本では「漢民族」と呼ぶのが一般的だが、中国語では他の少数民族も“○○族”と呼び、「○○民族」とは呼ばない。そこで、本稿では「○○民族」という表現を避けて中国語表記の“○○族”に統一した。

漢族が少数民族になりすまし20点加算

 中国の大学入試では、受験生が要件を満たせば入試結果に一定の加点を行う優遇措置が取られている。この要件は各省・自治区・直轄市の状況に応じて決定される。

 重慶市の場合、受験生が「少数民族(集中居住地区、分散居住地区、民族郷居住などに細分化されている)」「農村の女の一人っ子」「三峡ダム地区居住者」「体育超優秀者」「青少年科学技術発明大賞の受賞者」など15項目のいずれかに該当することが必要だ。

 重慶市でこの加点要件を有する2009年の受験生は約7万人で、全市の受験生の約37%もの高い比率を占めていた。

 今回問題となった「集中居住地区の少数民族」の受験生は、試験成績に20点が加算される。この区分に該当する受験生は約1.8万人で、受験生全体の約10%を占めた。

 大学入試終了後に、重慶市が受験生を調査した結果、戸籍上の民族名を本来の漢族から少数民族に変更して、「集中居住地区の少数民族」として加点資格を取っていた受験生が31人見つかった。

 そればかりか、そのうちの2人は県幹部の子女であることも判明したのだ。当該子女の1人は「石柱土家族」が住む自治県の副県長の娘。もう1人が「重慶市の文科系“状元”」の何川洋であった。

名門、北京大学への入学がフイに

 何川洋は、母の盧玲瓊が巫山県党委員会組織部の副部長、父の何業大が巫山県大学入試事務所の主任である。つまり、県幹部の両親を持つ息子であった。両親はかわいい息子の将来をおもんぱかって、大学入試で少しでも有利になるようにと、何川洋が13歳の時に人脈を通じて裏工作し、2006年8月に彼の戸籍上の所属民族を少数民族に変更していたのだった。

 何川洋は高校時代を通じて成績優秀であったが、両親は息子が重慶市の文科系“状元”になるとは夢にも思わなかった。問題発覚後に両親は「息子がこんなに優秀だと分かっていれば、戸籍上の民族を少数民族に変更する必要はなかった」と悔やみ、息子に涙ながらにわびたそうである。

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「ウイグル族と漢民族は相容れないのか」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長