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オバマがイスラエルに冷たい理由

オバマは9月から動き出す

2009年7月23日(木)

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 オバマ政権誕生から半年が過ぎ、オバマ外交がフル回転を始めている。

 イランへの対話の呼びかけ、中東和平へのイニシアチブ、オバマ大統領による初のロシア訪問や「核なき世界」に向けた取り組みなど、短期間に次々と活発な外交活動を展開している。いよいよ本格的に動き出したオバマ政権の「スマートパワー」外交。その狙いやアプローチ、そして今後の行方について分析してみよう。


 今回は、大統領選挙後のゴタゴタでその動向が注目されるイランに対して、オバマ政権がどのような政策を考えているのかをみていきたい。

イランに対する関与政策は継続する

菅原 出(すがわら・いずる)氏
1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒。平成6年よりオランダ留学。同9年アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェローを経て、現在は国際政治アナリスト。米国を中心とする外交、安全保障、インテリジェンス研究が専門で、著書に『外注される戦争―民間軍事会社の正体』(草思社)などがある。最新刊は『戦争詐欺師』(講談社)

 7月15日、ヒラリー・クリントン国務長官が老舗のシンクタンク「外交関係評議会(CFR)」でオバマ政権の外交政策に関する演説を行っている。クリントン長官はその中で、「スマートパワー外交」の柱の1つである「敵対国家、非友好国家」に対する「関与政策(エンゲージメント)」について説明。とりわけイランに対する関与政策に関して時間を割いて説明している。

 「われわれは敵対勢力や意見を異にする国々とも外交活動を通じて関与していくことが、われわれの利益を促進し、また他の同盟国と共に国際社会をリードしていく上でわれわれの立場を強化すると考えている(中略)関与政策がわれわれの利益や価値を高めるのであれば、この政策をあきらめてしまうのは賢いとは言えない・・・」

 「(直接)交渉をすることで、その体制の思惑や今後の可能性に関する貴重な情報を入手する可能性があるわけであり、一見まったくその気がないように見える体制でも、国際社会で受けられる利益と引き換えに最終的には態度を改めるということは起こり得る。リビアがその代表例だろう」と述べて、「イランに対する関与政策を今後も継続する」との方針を改めて表明した。

「イスラエルに冷たいオバマ大統領」

 このクリントン長官のスピーチに先立つ7月13日、在米ユダヤ系団体の代表団がホワイトハウスを訪問し、オバマ大統領と会合を持った。イランに対する関与外交をはじめとするオバマ政権の新中東政策によって、米・イスラエル関係が緊張していることを受けて、米国主要ユダヤ組織会長会議、ユダヤ名誉毀損防止連盟(ADL)、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)を含む14団体16名の代表者がホワイトハウスまで「押しかけて」、オバマ大統領の意向を直接確認したのである。

 ユダヤ団体の代表者たちがオバマ政権の姿勢に懸念を抱いたのも無理はない。今年の5月以降、オバマ大統領をはじめとする政権高官たちは、イスラエルの占領地における入植地拡大活動を強く批難し、入植活動の全面凍結をイスラエルに要求し、米・イスラエル関係は著しく冷却化しているからである。

 イスラエルに対して「厳しい」対応を見せる一方、その敵対国であるイランに対しては政権発足以来一貫して対話を呼びかける柔軟姿勢を見せてきた。

 3月20日のイランの新年に際して、オバマ大統領がビデオ・メッセージを通じてイランに対話を呼びかけ、その直後の31日には、オランダで開催されたアフガニスタン国際会議で、リチャード・ホルブルック米特使が、イランのモハムマド・アーホンドザーデン外務次官と初めて接触した。また5月にはオバマ大統領がイラン最高指導者アリ・ハメネイ師に書簡を送り、対話を望むメッセージを伝達したと報じられ、6月上旬には米国の独立記念日の公式パーティーに、イラン外交官を招待するよう国務省が各国米大使館に通達を出していた。

 そして極めつけは6月4日にオバマ大統領がエジプトのカイロで行ったイスラム教徒向けの演説だろう。この演説で同大統領は、パレスチナ人の苦しみを、ナチス支配下のユダヤ人のそれと同列に扱い、「パレスチナ人たちは毎日のように『占領による』屈辱を耐え忍ばなければならない」などと述べて、相当踏み込んだ「パレスチナ寄り」姿勢を見せたからである。

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「オバマがイスラエルに冷たい理由」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官