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続・ウイグル族と漢民族は相容れないのか

毛沢東は50年以上前に「漢民族と少数民族の関係正常化」を唱えていた

2009年7月24日(金)

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前回のあらまし】

 重慶市で今年の全国統一大学入試(以下「大学入試」)終了後に行われた調査で、戸籍上の民族区分を本来の漢族から少数民族に変更して試験成績に優遇加点を受けていた受験生が31人いたことが判明した。

 そればかりか、その中には何と重慶市の文科系の“状元”(試験成績第1位)の何洋川が含まれていた。何洋川は優遇加点20点を取り消されてもなお659点という好成績であったにもかかわらず、民族詐称の罪は重く、第1志望の北京大学から入学不許可の処分を受けた。


 7月20日付の北京紙「新京報」は、重慶市における民族詐称事件に関する詳細を報じた。同記事によれば、“状元”の何洋川には大学入学手続きが締め切られた7月18日までにどこの大学からも入学許可の連絡はなかったとのことで、「今年、彼は大学とは無縁となった」と報じた。大学浪人となった何洋川には、来年こそは捲土重来を期して北京大学合格を果たしてほしいものである。

名門高校の競争が「醜聞合戦」に発展

 ところで、「新京報」は民族詐称事件について興味深い事実を報じている。同記事の概要を紹介すると次の通りである。

 今回の民族詐称事件が表ざたになった発端は、重慶市の名門高校である“南開中学”と“巴蜀中学”との進学競争によるものであった。

 一般の受験生の大学入試が終了した6月8日、重慶市内に「巴蜀中学の高三には少数民族の優遇加点を受ける資格を持つ者が200人近くいる」という噂が流れ、重慶市内の大学受験生たちはこの噂で持ちきりとなった。

 「巴蜀中学の200人もの受験生が少数民族として20点の優遇加点を受けるとすれば平均点が上り、漢族の受験生はそのとばっちりを受けて損することになる。少数民族だと言ったって、どうせ漢族が戸籍上の民族区分を少数民族に変更した民族詐称に違いない。それで20点の加点は不公平だ」

 この噂は受験生に止まらず、父兄間でも大きな問題となり、当日夜、南開中学の父兄の1人が重慶市教育委員会に巴蜀中学の民族詐称問題を告発したのであった。

加点資格者28人中、19人が「民族変更」

 告発を受けた重慶市紀律検査委員会は、6月9日に重慶市の教育委員会、公安局など関係部門を加えた「大学入試の民族詐称加点事件」連合調査団を正式に組織し、重慶市市街地区に所在する高校の受験生に対する調査を開始した。

 この結果合計31人の受験生が民族詐称により少数民族優遇加点の資格を有していることが判明した。その内訳は、重慶市直属の高校が、巴蜀中学6人、南開中学8人、重慶一中8人、重慶八中2人、育才中学1人、重慶外国語学校(旧:四川外国語学院付属外国語学校)3人の合計28人、これ以外の重慶市直属でない高校が3人であった。なお、“状元”の何洋川は南開中学8人中の1人である。

 重慶市直属高校の28人が詐称した少数民族名は全員が“土家族”だった。その受験資格区分は「少数民族郷に居住する少数民族の受験生」25人と、「集中居住する少数民族の受験生」3人。いずれも少数民族の受験生として試験成績に20点の優遇加点を受けることができるものであった。

 これら28人のうち、19人が戸籍上の民族区分の変更を重慶市巫山県で行っていたことが判明した。巫山県大学入試事務所は6月22日にこの事実を知ったが、当時はまだ事の重大さを把握できず、成り行きを見るに任せていた。

 ところが重慶市政府から徹底調査の指示を受け、巫山県調査チームを組織して調査を行った結果、同県大学入試事務所の責任者である何業大が“状元”の何洋川の父親であることと、母親の盧玲瓊が巫山県党委員会組織部副部長であることが判明したのである。

「上級組織」の説明書があれば確認作業は不要

 重慶市が実施している「中国公民の民族区分の確定に関する規定」によれば、民族区分を変更する場合、申請者はこのような手順を踏むことになっている。まず自分が所属する組織に申請を行って、その申請内容を7日間公示する。そして異議がなければ、関係申請書を所在地の民族宗教局へ提出して承認を取り付ける。

コメント9件コメント/レビュー

ことの始まりは毛沢東がChinaの外縁を侵略して植民地化したことが原因なので、その後でいくら綺麗事を言われてもどうかなと。侵略したもの勝ちなんでしょうか?そんな曰くのある土地の統治法をアドバイスするお節介さは貴重かもしれません。まあChinaに元を目指されても困りますし、未来永劫現状維持できるはずも無いでしょうから、いずれチベットも東トルキスタンも独立すればよろしいかと思います。(2009/07/27)

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「続・ウイグル族と漢民族は相容れないのか」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ことの始まりは毛沢東がChinaの外縁を侵略して植民地化したことが原因なので、その後でいくら綺麗事を言われてもどうかなと。侵略したもの勝ちなんでしょうか?そんな曰くのある土地の統治法をアドバイスするお節介さは貴重かもしれません。まあChinaに元を目指されても困りますし、未来永劫現状維持できるはずも無いでしょうから、いずれチベットも東トルキスタンも独立すればよろしいかと思います。(2009/07/27)

筆者がこのような議論を巻き起こすようなテーマについて再度コラムを書いてきたのにはご自身のお考えがあってのことだと思いますし、それに対しては敬意を表します。ただし今回も前回と続けて“ウィグル族と漢民族は相容れないのか“というタイトルを使うのは、あまりにも記事の内容に対して扇動的だと思います。著者が述べているのは中国政府の現在における少数民族政策一般についてであり、今回のコラムにいたってはウィグル族という名前こそでてきますが、そこで発生している具体的な問題について一言も触れておらず、また前回に続いてその問題について分析もしていないと思います。微妙な問題なので避けたのかもしれませんが、それならばせめてタイトルを変えるべきだと思います。また重慶の学生の戸籍改ざん問題とウィグル族の暴動を並列で論じるのはいかがなものかと思います。そこで発生している緊張の度合い、問題の根深さは断然違うはずです。(2009/07/27)

「少数民族の生存環境を高めるこそが解決策」というようなコメントがありましたが、仰るとおりです。しかし、記事をよく読めば、中国政府が実際にそのように予算配分していることがわかるはずです。「例えば、巫山県のトウ家土家郷や紅椿土家郷のインフラ整備(橋や道路建設など)や社会事業(教育や衛生など)に、国家は毎年300万元(約4200万円)以上を供与している。もし、巫山県が少数民族自治県であれば、毎年国家から1000万元(約1億4000万円)以上の支援を受けることができる。」(2009/07/27)

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三品 和広 神戸大学教授