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シャープ、太陽光パネル事業の狙い

太陽電池は各国の重要戦略産業になり得る

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2009年7月28日(火)

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Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)
米国時間2009年7月20日更新 「Japan's Sharp Expects Boost from Solar Energy

 2007年の後半、太陽電池最大手のシャープの片山幹雄社長は、社長就任後まもなく、エネルギー業界についての貴重な教訓を学んだ。その時期、同社長はシャープの太陽光パネル事業の海外展開に関し、日本国内の在外公館職員や各国の政府関係者と会合を重ねていた。

 それまで片山社長は、各国がクリーンエネルギー技術への投資を拡大させているのは、地球温暖化に関する様々な事実が明らかになる中、環境への懸念が高まっているからだと考えていた。

 だが、太陽光発電は各国の政府関係者にとって、国家安全保障にかかわる問題だった。片山社長は最近のインタビューで、「その頃初めて、太陽光発電事業の意義は、環境保護のためだけにあるのではないと気がついた」と語っている。

 片山社長はシャープ幹部に太陽電池事業の戦略見直しを指示。それまでシャープは、新事業の推進に際して、工場の稼働開始を優先してきた。だが、同社長は、太陽電池パネルについては、そのやり方ではうまくいかないのではないかと考えた。同社長の懸念の1つに、石油の輸入が太陽電池パネルの輸入に代わるだけなら、各国は石油への依存度を減らそうとはしないのではないか、という問題があった。

 現在、片山社長は現地企業との合弁により各国に太陽電池パネル工場を建設することで、こうした事態を避けようとしている。この方針により、シャープは国内で新たな工場建設を進めるよりも少ない投資で、新たな市場へ進出できるようになった。

 昨年11月、この戦略の手始めとして、シャープは伊電力大手エネルとの合弁事業計画を発表。両社は共同でイタリアに新たな太陽電池工場を建設し、出資企業を獲得して費用を分担する計画だ(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年12月10日「シャープ、太陽光発電の新ビジネスモデル確立へ」)。さらに両社は複数の太陽光発電所の建設でも提携し、共同で運営にあたる予定だ。

民間投資の冷え込み

 シャープ幹部は、日本国内の生産拠点を重要視していないわけではないと語る。来年春までには、シャープは総工費約720億円の大阪府堺市の新工場の操業を開始。最新の薄型テレビ用液晶パネル工場と同じ敷地内に設置された堺の新工場は、当面年間48万キロワットの発電量に相当する薄膜型太陽電池を、主に日本国内や米国、西欧向けに生産する。

 シャープは今のところ、早急に生産を拡大させるつもりはないようだ。米調査会社アイサプライの予測によれば、2009年に世界で新設される太陽光発電設備の総発電量は3.5ギガワット(ギガは10億)で、5.2ギガワット分が新設された2008年と比べると32%の減少となる。1キロワット当たりの太陽電池パネルの価格が下落しているため、売上高では40%減の182億ドル(約1兆7000億円)と、さらに急激な落ち込みが予測されている。

 これらは、スペイン国内での需要の落ち込みと、昨今の金融市場の収縮で再生可能エネルギーへの民間投資が冷え込んだことが主な要因だ。ただし、アイサプライは、2010年には市場が回復する可能性もあると予想する。

 シャープの前年度(2009年3月期)の総売上高2兆8472億円のうち、太陽電池部門の売上高は1571億円と、わずか6%未満に過ぎない。だが、豪系マッコーリーキャピタル証券は、今年度(2010年3月期)には太陽電池部門の売上高は21%伸びて1900億円に迫り、部門損益も約50億円の黒字に転換すると予想する。来年度(2011年3月期)には、同部門の売上高はさらに40%増える可能性もあるという。

 シャープが生産しているのは、住宅用や発電所用の太陽電池パネルだけではない。今年6月には、太陽電池モジュールを搭載した折りたたみ型携帯電話端末も発売している。

コメント4件コメント/レビュー

かつて太陽光発電への助成を打ち切って気分を冷やしたように、邪魔をすることはあっても、有効な助力をすることは、自尊心ばかり高くて実務能力は低い日本の官僚ではありえなさそうですね。(2009/07/28)

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かつて太陽光発電への助成を打ち切って気分を冷やしたように、邪魔をすることはあっても、有効な助力をすることは、自尊心ばかり高くて実務能力は低い日本の官僚ではありえなさそうですね。(2009/07/28)

経済産業省、太陽光発電に新制度に思う。一般住宅における太陽光発電の普及は限られた、資金力のある一部の人にしか、設置できません。ある意味、「裕福な人たちの負担を低所得層に押し付ける」様なものです。また、設備費の回収に20年近くかかります。さらに、これらの一般住宅向けの設備を製造・設置時にどれだけのCo2を排出し、(資源・製造・設備・維持)それを何年で回収できるのかを示していない。(各メーカーは企業秘密として公表していない)太陽光発電は新たな制度を設けなくとも、資金力がある人は積極的に採用していくと思われます。余剰電力の買い取り金額が低くい事を理由に、設置を見合わせることもないでしょう。そもそも、資金力のある家庭と(家電が多く大きな住宅では消費電力も多くなる)資金力のない家庭とでは、消費電力に大きな差があり、小さい家はCo2の排出量は少ないのです。これらのことを考慮せずに、一般家庭に負担を強いるような計画はいかがなものかと思います。自然エネルギーの活用にはもっと効率的な配置と運用が必要です。「自然エネルギーの活用」の名を借りた、太陽光発電産業の活性化のための制度であってはならないのです。消費電力を減らすのなら、クールビズやウォームビズを制度化するほうが効率的です。本制度の再考をご検討いただきたく思うとともに、貴政党はどのような見解をしますか。。(2009/07/28)

太陽電池産業は半導体産業の二の舞になりそうな気がします。発電システムとしては太陽電池だけでは成り立ちません。将来的には需要の大半を占めると思われる事業用の巨大システムともなれば電力制御や負荷変動を吸収する技術がより重要になり、一つの要素部品でしかない太陽電池は、供給メーカーが増えるにつれ発電システムを構築する業者から買い叩かれる存在になってしまいます。メモリーなどの半導体産業が米国から日本、韓国・台湾へとより低コストな国へ移っていった歴史をみると太陽電池もやがてそうなるでしょう。そのためにもいち早く事業用の巨大システム構築の重要技術をおさえることがより大切なことだと思います。(2009/07/28)

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