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 ヴェンデリン・ヴィーデキング氏が独スポーツ車メーカー、ポルシェCEO(最高経営責任者)に就任した1992年当時、同社は経営が悪化し、独フォルクスワーゲン(VW)が救援に乗り出し傘下に収めるものと思われていた。

 以来約17年、ポルシェはついにその運命に屈する。これはVW監査役会長で、ポルシェ創業一族の一員であるフェルディナント・ピエヒ氏(72歳)のキャリア中最大の功績の1つとなるだろう。

 これによって、VWを支配するというヴィーデキング氏の野望と、その結果生じたポルシェ家とピエヒ家という創業一族間の争いが終わる。同氏はポルシェと創業一族にVW株の50.76%を残して去る。

 あるVW幹部は「やっと主客転倒が解消される」と明かす。VW幹部は、VWより規模のずっと小さな企業のヴィーデキング氏に命令されるのを嫌悪していた。

VW10番目のブランドに

 ヴィーデキング氏の辞任で、一族の長であるピエヒ氏のキャリア上の究極の夢が実現に近づく。それは、VW「ビートル」の設計者である祖父フェルディナント・ポルシェ氏が1930年代に創業したポルシェをVWに統合して、一族の遺産を再統合することだ。

 統合により、スポーツ車を年間約10万台生産するポルシェは、大衆車、高級車合わせて年産600万台以上の欧州最大の自動車メーカーの傘下に入る。

 合意は、ポルシェを傘下の「ブガッティ」「アウディ」「ベントレー」などの有名ブランドに続く10番目のブランドとすることで、創業一族の言う「総合自動車グループ」を形成することを狙いとしている。

 だが、新生VWの所有構造は創業一族が大雑把に描いただけであるため、交渉完了までの道程はまだ不透明だ。

 まずはVW支配を狙うというヴィーデキング氏の野望のために膨らんだ100億ユーロ(*1)の債務を削減せねばならない。ポルシェは現金か資産、または両方の注入による50億ユーロ以上の増資を計画している。

*1=約1兆3500億円

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