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ポピーからサフラン咲く地へ
~アフガニスタンの復興に向けて

  • 黒田 東彦

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2009年8月7日(金)

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 アジア開発銀行(ADB)は世界の67カ国が加盟する国際機関であり、1966年に創設されて以来、その本部はフィリピンのマニラにあります。そして、北はモンゴルから南はインドネシアまで、東は太平洋島嶼国から西はグルジアまで、広くアジア・太平洋の開発途上国の経済発展を支援しています。

 そこで、「マニラ便り―アジア経済の現場から」と題して、日本から見たものとは少し違ったアジア経済の現場に関する情報を発信していきたいと思います。今回は、アフガニスタンが経済復興に向けて努力していることについて報告します。

大きな経済支援を行っている日本

 去る6月27日にイタリアのトリエステでG8外相会議が行われ、私もその拡大会議でアフガニスタンとその周辺国に対するADBの経済支援について話す機会がありました。

 このトリエステは、かつてオーストリア=ハンガリー帝国の一部だったことがあり、ウイーンのような町並みの美しい港湾都市ですが、その優雅な建物の会議場でアフガニスタンのインフラや農業への支援が討議されました。8月20日のアフガニスタン大統領選挙を控えて3時間以上も外相たちの間で真剣な議論が交わされたのです。

 私は、ADB総裁としてG8財務相会議、ASEANやASEAN+3の財務相会議、東アジアサミット、APEC財務相会議などに参加したことはありますが、外相会議というのは初めてだったこともあり、大変興味深く感じました。アフガニスタン周辺の経済発展と安定が国際社会の重要な課題になっていることを示しているといえましょう。

 アフガニスタンはADBの創設以来の加盟国ですが、長い内戦を経て2004年にカルザイ政権が選挙で選ばれて正式に発足した以降、ADBは本格的な経済支援を行ってきました。この5年間で約10億ドルの譲許的資金(きわめて長期低利の融資ないしグラント=無償資金)をアジア開発基金(ADF)を通じて供与しましたが、とくに近年は支援のすべてをグラントで行っています。そして、今後5年間で10億ドルを超えるグラントを供与する予定です。

 このADFは、アジアの低所得国に譲許的資金を供与する基金であり、4年ごとに各国から拠出をコミットしてもらっていますが、日本が常に3分の1程度を負担して圧倒的な最大拠出国となっています。日本は、二国間援助でもアフガニスタンへの重要な支援国ですが、ADBのADFを通じても大きな経済支援を行っているのです。

教育や医療サービスの普及にも欠かせない道路整備

 具体的には、ADBのアフガニスタン経済支援は道路、送電網、通信、灌漑などのインフラ投資を主力にしています。とくに、道路については、アフガニスタンを一周する巨大な環状道路(「リング・ロード」)およびその支線道路の復旧整備を世界銀行、米国、日本などとともに進めてきました。

 こうした道路整備は、単に経済復興にとって重要なだけでなく、教育や医療サービスを国民に行き渡らせるためにも不可欠なのです。教育や医療は多くの先進国が支援していますが、これらの支援とADBなどの支援は相互補完する関係にあるといえましょう。

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