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水力発電も一極型から分散指向へ? 第三世界を救うかマイクロ水力発電

  • 白土 晴一

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2009年8月18日(火)

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 日本に住んでいると、水が輸出で稼げる資源であることを、忘れてしまいそうになる。飲料水の輸出の話ではない。エネルギー資源として見た水、つまり水力発電の話である。

 石炭などはあったにしても、エネルギー資源に乏しい日本では、明治時代から水力発電を熱心に取り入れている。流通インフラが整っていない当時の日本では、内陸部の工業地域への石炭輸送のコストが高かったため、険峻な地形を利用できる水力発電が注目されたという事情もあるし、燃料輸入に頼らない国産エネルギーとして、有事の際でも安定供給できるというメリットが考慮された面もある。

 しかし、日本では国際的な視点で、水力発電を考えることが少ないように思う。周囲を海に囲まれた日本では、水力発電による電力を海外に輸出または輸入するようなこともなかったため、致し方ないと言えば致し方ないのだが。

「産電国」という夢と現実

 世界を見ると、水力発電による電力を国外に輸出することで、国の財政を支えようとする国は数多く存在している。

 最も著名な例ではブータン。水力発電による電力をインドへ輸出した収入は国家歳入の4割に達していると言われており、新たな水力発電所の建設などによって、その割合は将来的にもっと増えるものと予想される。


【Bhutan hopes to cash in on hydro-electric power - 30 Mar 08】
(カタール衛星TV「アルジャジーラ」英語版のYouTubeチャンネルより)

 ブータン南部の「タラ水力発電ダム」は、年間約1億7500万ドル分の電力をインドに輸出している。新たな水力発電ダム建設計画もあり、それによって住民との軋轢も起こっている。

 中央アジアのタジキスタンも、旧ソ連の中ではエネルギー資源に乏しい国であるが、水資源に関しては豊富であるため、旧ソ連時代に作られたヌレク水力発電所などからかなりの電力量がロシアへ輸出されている。

 こうしたタジキスタンの水力発電施設は、国が株式を保有している電力会社「バリキトジク」(Barqi Tojik)が管理運営しているが、タジキスタン政府はロシアやイランなどの援助によって水力発電ダムや送電設備の建設を行うことで、電力の国外輸出が経済成長に結びつくことを期待しているらしい。

 先日も、パミール高原の水力発電プロジェクトをロシアと協同で行うことが発表されたばかりである。


【Joint Russian Tajik project to power up Central Asia】
(ロシアのニュース外信会社「ロシア・トゥデー」のYouTubeチャンネルより)
こうしたプロジェクトは、ロシアの中央アジアでのエネルギー戦略の一環と言えるだろう。ロシアはタジキスタンへのガス供給なども行っており、同国への影響力は非常に大きい。 また、水資源がありながら、資金や技術の面から十分な電力供給を行えないタジキスタンとしては、ロシアの援助を受け入れるのが現実的な選択と言える。

 こうした水力発電による電力輸出により、「産電国」になろうとしている国はまだまだある。

 ヨーロッパからの援助でケニア向けの水力発電ダム建設を行っているエチオピア、ブータンと同じくインドへの電力輸出用水力発電ダム建設を計画しているネパール、2015年までにブラジルやペルー、チリなどの電力市場へ進出しようとダム建設を進めているボリビア、メコン河など大河川が多い東南アジアのカンボジアやベトナムなどでも電力の国外輸出の動きが広まってきている。

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