このコラムでは、参考映像としてもっぱら動画投稿サイト「YouTube」を利用させてもらっている。
こうしたサービスは、英語で「Video hosting service」と呼ばれ、イギリスの「Live Leak」やフランスの「Daily Motion」、日本の「ニコニコ動画」などのサイトも有名だが、アップロードされる動画数や視聴者数など、やはりこの分野のパイオニアである「YouTube」が頭一つ抜け出ているように思う。
「YouTube」に代表される動画投稿サイトの醍醐味の一つは、まったくの個人であっても、独自の映像を世界中に配信することが可能ということだろう。ホームビデオで撮影されたイタズラや自分の特技を披露した、正直どうでもいい映像も多いのだが、中には、企業の不祥事や警察官の暴力などを告発するためにアップロードされた、非常に重い内容の動画も存在する。
ネット経由でもイスラム圏に目配りするオバマ
最近では、大手の報道機関だけでなく、国際的なNGO、各国の政府機関や政党なども「YouTube」に公式チャンネルを開設し、積極的にこれを活用するケースが多くなってきている。
大統領選挙戦でネットを大きく活用したことで知られるオバマ大統領とそのスタッフたちも、当然の如く「YouTube」には注目しており、今年1月には公式の「ホワイトハウス・チャンネル」が開設され、先日もイラクやアフガニスタンといった、中東に関する演説にアラビア語やペルシャ語、ウルドゥー語、パシュトゥー語などの字幕を付けた映像が、次々とアップロードされた。
これはイスラム圏の「YouTube」視聴者を、相当に意識したアップロードである。
「YouTube」がオバマ大統領の外交の一端を担っていると言うのは、やや大げさかもしれないが、少なくともこうした映像を見ることで彼の外交方針の方向性を知ることが出来ると思う。
今や、「YouTube」は世界情勢を覗くには、絶好の小窓になっている。今回はその「小窓」の使い勝手の良さに気づいた一般人対メディアの有名人の、映像合戦の模様をご紹介しよう。
* * *
ビル・オライリーをご存じだろうか。アメリカFoxニュースの人気番組「ザ・オライリー・ファクター」のキャスターとして有名な男である。
彼の政治的なポジションは保守派(本人曰く「伝統主義者」)であり、その直接的で歯に衣着せぬ言動は、保守派層からは大きな人気を得ているが、反対にリベラル派からは大きな批判を浴びることも多い。
【Naked Truth?】
※このチャンネルは動画を比較的早く入れ替えるため、ご視聴になれない場合もございます。ご容赦を。
去年12月、この「ザ・オライリー・ファクター」がオランダのアムステルダムを取り上げた。
「アムステルダムは悪徳の都だ」
同国の大麻などのソフト・ドラッグ容認政策や売春の合法化などについて、オライリー氏と二人の女性コメンテイター(一人は第31代米大統領ハーバート・フーバーのひ孫)が、かなり強い表現で批判を行った。
曰く、「アムステルダムは道徳が崩壊している」、「組織犯罪が横行して、治安を維持できない」などなど。要するにソフト・ドラッグに対して緩やかな政策を行ってきた結果、「アムステルダムは不道徳で堕落した都市になった」と言いたかったのだろう。
その上で、「オランダ政府は、これまでの薬物政策を厳しいものにする可能性がある」とコメントしたのだ。
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