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鼻高々「210品目で生産世界一」、で品質は?

国家認定、中国の「世界ブランド10」いくつ知ってますか

2009年9月4日(金)

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 中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は2009年8月14日付で、「堂々たる中国・その輝ける60年――中国は工業大国として胸を張る」と題する記事を掲載した。

 この記事によれば、中国で生産される工業製品のうち210品目が生産量世界一であるというのだが、その概要は次の通りである。

「新中国成立時に比べて100倍以上増加した」

 1949年10月に新中国が成立したばかりの頃、極端に立ち遅れた工業基盤に直面した中国共産党主席の毛沢東は感慨を込めて、こう述べた。

 「我が国の工業生産総額は140億元、工業製品中の鉄鋼は15.8万トン、原油は12万トン、石炭は3200万トン、発電量は43億キロワット時、セメントは66万トンに過ぎず、我が国の工業水準は世界の主要資本主義国に比して100年以上も立ち遅れている」

 この時を起点として、中国は国家の工業化を実現し、農業国から工業国への転換を図ることを国家目標として定め、それから60年が瞬く間に過ぎた。

 今では全面的で相当な規模と水準を持つ現代工業と通信のシステムが構築され、かつての経済的に立ち遅れた農業国は既に工業大国へと成長し、工業化の中期段階に突き進んでいる。

 2008年に我が国の工業付加価値は10兆7367億元(約150兆円)に達し、1978年に比べて23倍となり、新中国成立時に比べて100倍以上増加した。

 2008年までに我が国の工業製品でその生産量が世界第1位となったのは210品目ある。全国の発電設備容量の80%以上が国産設備であるし、年産1000万トンクラスの大型製油所設備の国産化率は90%に達している。


 この「工業製品の生産量世界一が210品目」というのは、2008年11月6日に中国国家統計局が発表した「改革開放30年経済社会発展の成果報告」の数字を引用したものだ。この報告は、主な生産能力について改革開放政策が始まった1978年と、2007年との比較を示している。その一部を紹介しよう。

中国における主要製品の生産能力

  1978年 2007年 1978年比
電力(発電設備容量) 5712万キロワット時 6億8737万キロワット時 11倍
原炭 5億8000万トン 25億8000万トン 3.4倍
化学肥料 1247万トン 8230万トン 5.6倍
粗鋼 3500万トン 5億7045万トン 15.3倍
セメント 7369万トン 18億3400万トン 23.9倍
化学繊維 38万トン 3042万トン 79.1倍
自動車 17万台 1283万台 74.5倍

 それでは、「工業製品の生産量世界一が210品目」とは具体的に何を指すのか。

作られた製品は100%販売されているのか

 残念ながら210品目を明示した資料は見当たらないのだが、Yahoo中国の「知識堂」(Yahoo Japanの「知恵袋」に相当)に、「中国の世界一は何があるの」という質問に対する回答が掲載されている。工業分野をピックアップすると、次のようなものがあった。

【中国の世界一:工業】
   
1)
鉄鋼生産量(世界第2~4位の合計よりも多い)
2)
セメント生産量(世界の半分を占める)
3)
石炭生産量(世界の半分を占める)
4)
繊維製品生産量(毎年、世界の人々に1人当たり4着の衣類を供給している計算)
5)
靴生産量(毎年、世界の人々に1人当たり3足の靴を供給している計算)
6)
テレビ生産量
7)
DVD生産量
8)
エアコン生産量
9)
オートバイ生産量
10)
リン産出国
11)
銅消費国
12)
造船
13)
家具輸出
14)
ピアノ生産・販売

 工業製品の生産量が世界一であることは確かに工業大国を示す重要な指標であるが、それよりも重要なことはそれらの製品が100%販売されるか否かである。工業製品がどれだけ生産されても、売れなければ在庫が積みあがるだけで、ビジネスは成り立たない。

コメント3件コメント/レビュー

日本の輸出品は陶器、織物、の時代から、戦後は印刷図書、装飾電球、トランジスターラジオ、トランシーバー、ステレオ、テレビ、化成品、自動車と一貫して、低価格でありながら、その価格帯においては「高い品質」と評価されていました。但し、ブランディングの重要さに気がついて、努力したのはアメリカに浸透してから、暫く経ってからのことでした。その意味では、中国の歩みと日本の歩みは異なるものと理解したほうが良いと考えます。しかし、世界中で中華料理を食べられない都市は無いと言われるほどのバイタリティある人たちです。きっと中華製品として独自の世界を築くのかもしれません。(2009/10/02)

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「鼻高々「210品目で生産世界一」、で品質は?」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本の輸出品は陶器、織物、の時代から、戦後は印刷図書、装飾電球、トランジスターラジオ、トランシーバー、ステレオ、テレビ、化成品、自動車と一貫して、低価格でありながら、その価格帯においては「高い品質」と評価されていました。但し、ブランディングの重要さに気がついて、努力したのはアメリカに浸透してから、暫く経ってからのことでした。その意味では、中国の歩みと日本の歩みは異なるものと理解したほうが良いと考えます。しかし、世界中で中華料理を食べられない都市は無いと言われるほどのバイタリティある人たちです。きっと中華製品として独自の世界を築くのかもしれません。(2009/10/02)

過去に日本製品が欧米では粗悪品と認識されていたとのお話は、この記事に限らず当然のように語られるのですが、どの程度真実なのでしょうか?零戦を開発できた日本の工業技術は、昭和初期においてもそこそこの水準だったのではないでしょうか?ニコンが朝鮮戦争を取材したジャーナリストに絶賛されたり、F1に参戦したホンダが60年代に表彰台の中央に立った事実もあります。戦後直後の世界の工業製品の品質は総じて低かったでしょうから、相対的に本当に日本の工業製品が粗悪であったのかを科学的に検証してもらいたいです。(2009/09/04)

明るい未来、強い中国しか報道されない中、実態をレポートする数少ない方と思います。一度三橋貴明さんと対談してほしいですね。(2009/09/04)

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三品 和広 神戸大学教授