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エコシティー構想、再燃か?

環境関連事業への関心高く、IBMなど大企業も参入

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2009年9月7日(月)

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Moira Herbst (BusinessWeek誌記者、ニューヨーク)
米国時間2009年8月31日更新 「Eco-Cities: Building a Comeback?

 二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減を目指す大型都市開発、「エコシティー」構想は、世界的な不況のあおりで失速した。計画の遅れが最も顕著なのは、中国上海近郊の揚子江(長江)河口に位置する崇明島の東灘地区の大型開発事業だ。だが、景気回復の兆しが見え始め、原油価格が上昇する中、環境に配慮した都市づくりが再び注目されだしたようだ。

 アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府が出資する「マスダールシティー」や、オランダの首都アムステルダムの「スマートシティー」(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年6月8日「Amsterdam: A Smart City Goes Live」)などの有名なエコシティー計画をはじめとして、フィンランドから米アリゾナ州まで、世界各地で多数のエコシティー計画が進行中だ。その多くが、政府と民間の共同出資によるものだ。

 独ハンブルク郊外のエコシティー、「ハンブルク=ハールブルク」の例を見てみよう。今年7月にテナント第1号が入居したこのエコシティーは、米スイス系建築設計会社テックアーキテクチャーと英総合エンジニアリング・コンサルティング会社アラップが開発を手がけ、「持続可能な創造的産業環境」を謳っている。同プロジェクトのウェブサイトによれば、ハンブルク=ハールブルクが目指すのは、「大規模産業と創造的なベンチャー企業が集う、相互扶助と環境保全を実践するビジネスコミュニティー」の実現だ。

 敷地内には、工房や大型倉庫、生産施設など多種多様なスペースが設けられ、オフィス、ホテル、商業施設やレストランなども入居する予定だ。プライベートエクイティ(非上場株)投資会社からの出資のほか、政府からも一部融資を受けており、開発業者は既に、プロジェクトの総予算1億2000万ユーロ(約160億円)のうち2500万ユーロ(約33億円)を支払い済みだ。

 ほかのエコシティーと同様、ハンブルク=ハールブルクも、環境への配慮を謳い文句にしている。かつて櫛工場だった敷地は、10棟のビルから成る小さな街に生まれ変わり、エネルギー消費量の30%削減を目指している。今後建設予定の高層タワー2棟の最上部には、巨大な風力タービンが設置され、エコシティーの電力の10%以上を賄う予定だ。賃貸料はハンブルク中心地の平均価格を約25%下回り、しかも、ハンブルクの中心部からわずか20分の立地だ。

2009年第2四半期、環境技術分野への投資が回復

 ハンブルク=ハールブルクへの最初の入居企業は、独印刷機メーカーのハイデルベルガー・ドルックマシーネン(本社:ハイデルベルク、HDDG.DE)で、営業部員約150人が勤務している。さらに同社はエコシティーの精神にのっとり、環境に及ぼす負荷を軽減した同社の印刷技術を紹介するインタラクティブ(双方向型)展示場を設置している。

 ハイデルベルガーの広報担当のトーマス・フィヒトル氏は、「新オフィスに満足している。入居判断に当たっては立地と賃貸料も魅力だったが、環境に対する配慮が決め手になった」と語る。

 問題は、ハイデルベルガーに続く企業が何社現れるかだ。世界的な不況にあって、エコシティーはどの程度の事業成功の可能性が見込めるのだろうか。その答えは、不動産市場全般の状況や、環境に優しい建物に対する需要がいつまで続くかなど、多くの要因に左右される。不動産市場は依然として低迷しており、特に商業用不動産市場の状況は厳しい(BusinessWeek.comの記事を参照:2009年8月12日「Recession and debt drag on commercial real estate」)。

 しかし、環境関連事業への関心は依然として高いようだ。米調査会社クリーンテック・グループと米コンサルティング大手デロイトによると、環境技術ベンチャーへの投資額は、2四半期連続で前年同期を下回っていたが、2009年第2四半期は増加に転じているという。

 先行き不透明な状況の中、(すべてとは言わないまでも)一部の民間投資家は、環境事業への投資に慎重になっている。米不動産コンサルティング会社ビルディングビジョン(本社:ボストン)のジョン・マコーマーCEO(最高経営責任者)は、「(エコシティーが)有望な投資先か否かは、投資展望によって変わってくる。短期的なリターンを求める投資家にとっては魅力的な投資先ではないかもしれないが、ほかの(中長期的なリターンを求める)投資家は、エネルギー価格の上昇が続き、環境に配慮した物件に対する需要は高まると判断しているようだ」と語る。

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