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中国国民、環境汚染への怒り

住民1万人が警官隊2000人と衝突する事件が発生 

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2009年9月10日(木)

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Bruce Einhorn (BusinessWeek誌香港支局、アジア地域担当エディター)
米国時間2009年9月2日更新 「Chinese Get Angrier About Pollution

 急速な経済発展の弊害で、中国には世界でも最悪の水準の環境汚染問題を抱える都市がいくつもある。環境保護団体グリーンピース・チャイナ(本部:香港)によれば、中国には安全な飲料水の供給を受けられない人々が3億2000万人以上おり、中国環境保護省(旧国家環境保護総局)は、監視下の河川や水路の45%を、人が触れるのに不適な水質レベルと判断しているという。

 中国国民は長年、大気汚染や水質汚染による被害について沈黙を保ってきた。だが、今では多くの国民が募った怒りをあらわにし、抗議の声を上げるようになった。しかも、一部の抗議活動は、暴力事件にまで発展している。

 この抗議活動の最新の例が、中国南部沿岸の福建省で、環境汚染に怒った市民が繰り広げた抗議デモだ。8月31日、同省泉州市郊外の峰尾鎮で、地元の汚水処理施設による環境汚染にたまりかねた市民が、街頭で抗議デモを実施。9月2日付の香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によれば、抗議デモ参加者1万人以上が約2000人の警官隊と衝突し、政府当局者2人を人質として拘束したという。中国の国営メディアはこの事件をほとんど報じていないが、地元有力紙「泉州晩報」は、当局が地域住民との対話を強化していると伝えるとともに、2人の人質は無事解放されたと報道した。

 福建省の抗議デモ参加者は、中国のほかの地域での環境汚染への抗議活動に触発された可能性が高い。

 グリーンピース・チャイナ北京支部幹部のジェイミー・チョイ氏は、「人々は抗議デモで不満を表明するようになっている。中国政府が最後に統計を発表した2005年には、環境汚染問題に対する抗議活動の発生件数は5万件だったが、現在の件数は当時よりも大幅に増えているだろう」と語る。

 8月、中国北部の陝西省の住民が、鉛による水質汚染の元凶とされる精練業者に対して抗議デモを敢行し、大きな注目を浴びた。国営メディアでさえ、深刻な汚染の発生源とされる工場付近で、ガン患者が集中的に発生していると報じている。

局地的な抗議行動が全国規模に拡大

 これらの事例は、福建省で起きたような過激な抗議活動が、ほかの地域でも起こる可能性を示唆している。香港科技大学の中国多国間関係センター所長を務めるデビッド・ツバイク教授(政治学)は、中国各地で産業公害に対する問題意識が高まるにつれ、人々は地元の環境に厳しい目を向けるようになると語る。

 「中国全土で、住民は地元の工場から悪臭がし、親戚が犠牲になったなどと抗議の声を上げ始め、こうした住民同士の結束が広がっていくだろう」(ツバイク教授)

 環境汚染への反発拡大は、中国政府にとって頭の痛い問題だ。ツバイク教授は、米カリフォルニア州の小さな町の水道汚染問題を描いた米女優ジュリア・ロバーツ主演の映画「エリン・ブロコビッチ」を引き合いに出す。映画と違うのは中国の環境問題の規模で、「エリン・ブロコビッチで描かれていた町が、中国各地に1万カ所もあると思えばいい」(同教授)。

 抗議デモでは多くの場合、中国国内業者の工場がやり玉に挙がっているが、公害への問題意識の高まりにより、批判の矛先が多国籍企業に飛び火する可能性もある。例えば、過激な抗議デモが起こった福建省の町の近くでは、米石油大手エクソンモービル(XOM)、サウジアラビア国営の世界石油最大手サウジアラムコ、中国国営の石油大手、中国石油化工集団(シノペック・グループ)が共同で、来年操業開始予定の大規模石油精製施設を建設中だ。

 エクソンモービル中国部門の広報担当者は取材に応じず、抗議デモはこの合弁事業とは無関係とだけコメントした。シノペックの情報管理部門社員はBusinessWeekに対し、「我々は生産工程で何重にも環境対策を講じており、汚染問題が生じることはない」と電子メールで回答した。

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