• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国版「マーシャルプラン」登場

“輸出促進”から“外需創出”へ舵を切る中国商務省

  • 経済観察報

バックナンバー

2009年9月14日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

経済観察報記者 張 斌/劉 丹/肖 丹

世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、中国の輸出戦略が初めての大調整に直面している。

 中国商務省は、欧米諸国の過剰消費が終焉を迎えたと総合的に判断。輸出安定化に向けた新たな戦略として、“外需創出”路線に舵を切ることを検討している。これまでは外需が常に旺盛だったため、商務省は一貫して中国製品の国際市場でのシェア拡大を政策的に支援していた。

お金を貸して製品購入を促す

 本紙(経済観察報)の取材によれば、商務省は内部で検討を重ね、“外需創出”という新たな輸出戦略の方向性を固めつつあるようだ。

 例えば、自由貿易地区の建設加速である。昨年来の金融危機の影響で、中国の貿易は全体的に減速している。だが、商務省国際局の資料によれば、中国が自由貿易協定を結んでいる相手国との2国間貿易はむしろ上昇基調か、減速のピッチが緩やかになっている(編集部注:中国政府は既に東南アジア諸国連合各国及びニュージーランドなど14カ国との協定に署名している)。自由貿易協定の相手国では、中国の主要輸出製品の市場シェアも上昇している。

 「自由貿易協定は外需を安定化させるとともに、中国製品の市場シェア維持にもプラスに働いている」と、商務省国際局の関係者は話す。

 商務省はさらに、第三国に対して資金を貸与し、中国製品の購入を促す対策についても検討を始めた。

 2001年にWTOに加盟した後、中国の輸出は5年連続で20%以上の成長を続け、「中国輸出神話」を作り上げた。2007年のGDP(国内総生産)に対する輸出額の比率は37.57%もの高水準に達した。

 その間、中国の対外貿易の方針はめまぐるしく変遷した。WTO加盟直後の「輸出促進」から「貿易黒字の削減」に転じ、2008年になると「黒字減らしを求めず」に、2009年は「輸出減少を防止」という具合だ。

 「中国の輸出が急拡大した時期は、外需が極めて旺盛だった。企業は積極的に生産に取り組みさえすれば、製品を受け入れてくれる十分な市場があった。このため、政府の輸出戦略の重点も、生産部門の生産量を増加させ、輸出を奨励することにあった」。全国政治協商会議(政協)委員で、前国家税務総局副局長の許善達はそう語る。

 金融危機の発生以降、中国政府はこれまでの政策の延長線上で、一連の輸出刺激策を講じた。例えば、輸出製品の増値税の還付率(国内取引にかかる付加価値税を輸出時に割り戻す比率)を11カ月間に7回も引き上げている。

 さらに、商務省は大手金融機関とともに、貿易金融に関する新政策も打ち出した。中小企業向けの輸出融資、輸出信用保険、輸出金融保証などの支援措置を強化している。地方政府も、通関手続きのさらなる円滑化や、輸出入商品の品質検査、検疫手続きなどの迅速化を図っている。

 だが、こうした一連の措置を実施しても、輸出減速を食い止めることはできなかった。今年1~7月の中国の輸出総額は6271億ドル(約59兆6000億円)と、前年同期比22%も減少した。

 前月比の輸出額は5カ月連続でプラスを記録し、輸出業界の関係者に希望を与えている。今年第3四半期末か第4四半期には、輸出は本格的な回復に転じるとの予測もある。

 だが、商務省関係者は次のように話す。「月間ベースの輸出額は季節要因による振れ幅が大きく、前月比の増減率は参考にならない。年間ベースでは、輸出額は2008年比20%減というのが大方の一致した見方だ」。

 欧米諸国が過剰消費を改める可能性がある一方で、中国の生産能力は拡大を続けている。商務省は、従来型の政策に基づいて欧米諸国の需要回復を待っていても、もはや中国の輸出の安定成長につながる保証はないという判断に至ったのだ。

 では、中国が国外で需要を「創出」するにはどうすればいいのか。方法の1つが、先にも触れた自由貿易地区の建設推進である。

コメント1件コメント/レビュー

 さすが中国のすること、先見の明とその柔軟さには感心します。彼らに学ぶことは多いが、その軽快なフットワークもそのひとつでは。 官僚主事がはびこり、何でもかんでも手続きだ書類だとうるさく融通の聞かない国なのに(特に、コネや袖の上とか下とかがない場合)、政策転換に関しては早い気がするのは私の錯覚でしょうか。 民間レベルでも、言った舌の根が乾かぬうちにけろりと意見を変え、しかも悪びれないところが中国人のいいところと思えるようになりました。 結局、きわめて実利に忠実、プラグマティックな考えをする人たちに振り回されることなく、その上手をいく困難な道の歩み方を日本人は習得しなければ先はない、と思うのは的外れでしょうか。(2009/09/14)

「中国発 経済観察報」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 さすが中国のすること、先見の明とその柔軟さには感心します。彼らに学ぶことは多いが、その軽快なフットワークもそのひとつでは。 官僚主事がはびこり、何でもかんでも手続きだ書類だとうるさく融通の聞かない国なのに(特に、コネや袖の上とか下とかがない場合)、政策転換に関しては早い気がするのは私の錯覚でしょうか。 民間レベルでも、言った舌の根が乾かぬうちにけろりと意見を変え、しかも悪びれないところが中国人のいいところと思えるようになりました。 結局、きわめて実利に忠実、プラグマティックな考えをする人たちに振り回されることなく、その上手をいく困難な道の歩み方を日本人は習得しなければ先はない、と思うのは的外れでしょうか。(2009/09/14)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長