「茂木崇の「タイムズスクエアに魅せられて」」

茂木崇の「タイムズスクエアに魅せられて」

2009年9月18日(金)

寄付というビジネスモデル、米新聞・雑誌のネット版の生き残る道

シリコンバレーで創業の「カチングル」

1/2ページ

印刷ページ

 米国のメディアは収入減から窮地に立たされ、各社は新しいビジネスモデルを必死で模索している(関連記事「メディアのリストラが加速」)。

 前回の本欄は、新聞・雑誌サイトの課金代行サービスを提供するベンチャー企業「ジャーナリズム・オンライン」について扱った(「米新聞・雑誌のネット版、課金に向けて舵を切る」)。

 その一方で、「コンテンツは無料」との認識が定着した現状ではネット上での課金は難しいので、寄付を募る方が効果的だとする見方もある。そして、ネット上での寄付を可能にしようとするベンチャー企業も複数の会社が設立されるに至っている。

 今回は、そうしたベンチャー企業の中から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で自分はいかなる人物かを明らかにするのが定着した流れを踏まえてシリコンバレーで創業したカチングル社を取り上げる。

カチングルのロゴ

 「カチングル」という名称は、キャッシュレジスターの「カチーン」と鳴る音と「ジングル」を合成して作ったものである。

 創業者のシンシア・ティーパルドスに電話でインタビューを行った。

サイトやブログに、1カ月5ドル以上を支払う

 まず、カチングルの仕組みを説明しよう。

(1)ニュースサイトやブログへの寄付に賛同する人は、カチングルに1カ月に最低5ドル支払って、カチングラーになる。いくら寄付するかは自分で決めることができる。

(2)カチングルに加盟するサイト及びブログで「価値がある」と認めたものは、貼り付けられたカチングルの「メダリオン」という名称のウィジェットをクリックする。メダリオンは、サイト全体に貼り付けられる場合も、セクションごとに貼り付けられる場合もある。

(3)月末に、訪れた日数に応じて寄付金がサイト・ブログに分配される。寄付金のうち80%の額が寄付金として支払われる。残り20%は、決済サービスを提供するペイパルが10%を、カチングルが10%を手数料として受け取る。

(4)カチングラーが希望する場合は、寄付したことが、寄付をしたサイト・ブログと、自らのSNS(フェイスブック、マイスペース、ツイッターなど)に表示される。フェイスブックのアプリケーションも提供する。

次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。






Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)


Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント1 件(コメントを読む)
トラックバック

著者プロフィール

茂木 崇(もぎ・たかし)

茂木 崇

1970年生まれ。東京工芸大学専任講師、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所研究員。専門はマス・コミュニケーション論、アーツ・マネジメント論で、守備範囲はニューヨークの新聞・雑誌・テレビ・広告・音楽・ブロードウェイ。特にタイムズスクエアをこよなく愛し、1年のうち2カ月ほどをニューヨークでの取材と調査にあてている。
 最近の著書に『平成19年版 広告に携わる人の総合講座−広告のすべてがわかる理論とケース・スタディー』(共著、日本経済新聞出版社)がある。


このコラムについて

茂木崇の「タイムズスクエアに魅せられて」

 世界の文明の十字路、米ニューヨーク・タイムズスクエア。この地に魅せられ、研究を重ねる筆者が、米国のメディア、エンターテインメント、ファッション産業などについて、縦横無尽にテーマを選び、最新動向をリポートする。

⇒ 記事一覧

ページトップへ日経ビジネスオンライントップページへ

記事を探す

  • 全文検索
  • コラム名で探す
  • 記事タイトルで探す

編集部よりお知らせ

日経ビジネスからのご案内