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デトロイトは生きていた(前編)

フロンティア・スピリッツ復活作戦

  • 水野 博泰

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2009年10月5日(月)

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米国凋落論がかまびすしい。社会は病み、産業は空洞化、頼みの金融システムも自壊し、世界に長く君臨してきた超大国はもはやその牽引力を失った、と。だが、本当にそうなのか──。目を凝らしてよく見れば、新時代への変革はもう始まっている。その先例が「死んだ街」と呼ばれたデトロイトにあった。

 死んだ街──。

 米自動車産業の総本山ミシガン州デトロイトはそう呼ばれる。殺人などの凶悪犯罪が全米屈指であることから「殺しの街」との異名もある。

 ビッグスリーの凋落とともに没落した街、職業紹介所に並ぶ失業者の列、貧困にあえぐ浮浪者のような市民、うち捨てられたぼろぼろのビルや焼け焦げた廃屋、そして人影もまばらでいつも薄暗いダウンタウン──。

 デトロイトと聞いて浮かんでくるイメージというのは、だいたいこんなところだ。実際、何人かのアメリカ人に聞いてみたら、ほぼそのままの答えが返ってきた。

 いずれも事実である。だが、それがすべてではない。

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アメリカはどのように変わるのか

 少し前置きをしておくと、実は、アメリカをステレオタイプに凋落国家として描写することにはずっと気が引けてきた。それは個人的な好き嫌いからではなくて、「アメリカがこんなに凋落したぞ~」「アメリカはここまでダメだぞ~」といくら叫んでみたところで、日本の何かが良くなるわけでもないからだ。

 それに、アメリカの底力を過小に評価するのは危険だと思う。アメリカは危機の時にこそ結束する。ルールから根こそぎ変えてしまう荒っぽさもある。他人のことや他国のことなど気にしない強引さと突進力もあるし、動き出したらなにしろ速い。

 バラク・オバマ大統領は国連総会の演説で、もうアメリカだけに過大な期待をしないでくれとさじを投げ、アメリカ・ユニラテラリズム(一国主義)の終わりとマルチラテラリズム(多国間協調主義)の幕開けを宣言してしまった。政治的にはアメリカの国益を最大化させる戦略的な計算があるだろうが、いずれにしてもアメリカの時代が終わったことをアメリカの大統領が既に認めているのだ。

 日本の状況は、ある意味でアメリカと似ている。アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国として何十年も繁栄を謳歌してきた。だが、2050年ぐらいにはメガ3(中国、米国、インド)から大きく引き離されてGDP(国内総生産)規模で8位くらいの中流国になっているというのが、米ゴールドマン・サックスの予測だ。

 自分の子供たちの世代が社会の第一線で活躍しているだろう30~40年後のことを考えると、アメリカよりも日本の方がはるかに深刻なことになっているのではないかと真剣に心配になってくる。もう、そろそろ金融危機後のアメリカと世界に目を向ける時だ。

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