民主党政権が本格的に始まった。7〜8月、このコラムで「政治シリーズガラガラポン」を連載して、筆者は政治の行方を大いに懸念、あるいは期待するようになった。
発足後100日間は静観していたほうがいいのかと思い、論評を自発的に遠慮していた。だが、「無為の国」思想そのままに政治不在でも毎日が動く日本での暮らしを味わうにつけ、政府運営に言及せずにいるのはもったいない、と思うに至った。
筆者、再び、政治について筆を執る。
大型台風への対応もなし、「脱官僚」の実態
10月7〜8日、大型の台風18号が日本列島を南北に縦断していった。死者2人、負傷者110人超(9日現在)という状況である。激しい雨と風のため、航空網はもちろん、各地の鉄道網は寸断された。
国民は、気象庁の呼びかけをニュースなどで聞いていたが、最も防災情報を求めていた10月8日24時の時点で、防災の大本である内閣府の防災担当からは何の声も届いてこなかった。
総務省消防庁、国土交通省などはホームページにて情報を掲載していた。内閣府のホームページが9月15日から10月9日午前1時30分まで止まってしまったことは、ネットの世界では有名であるから、ご存知の方も多いことだろう。
官邸は外遊優先で、人事権を握らなかった
防災担当の内閣府特命担当大臣は、前原誠司氏である。
台風18号は、伊勢湾台風並みの台風かと脅威を叫ばれていた台風である。その情報を耳にして、何をどう指示すべきか、前原大臣は分からなかったのかもしれない。家族間で台風が話題に上っても、それが自分の仕事と結びつかなかったのかもしれない。
なるほど、「政治主導」とはこういうことかと、実際に政府内で起こっている事態がうかがい知れた。「脱官僚」という名のもと、大臣・副大臣・政務官と、官僚とのつながりが断ち切れている。
内閣府に限らず、現政権の大臣たちは人事権を握っていないのだから、当然である。
加えて、経験のない大臣たちは、事務方から情報を受ける、指示を出す、仕事をさせる、報告を受ける、と言う仕事の循環をイメージできていない。どう仕事を転がせばよいのか、皆目、分からず立ち往生しているのではないか。
いったん解任、方針伝えて再任、なぜしなかった
もしも筆者が首相なら、まず、官邸でいったん全省庁の局長、審議官をいったん解任する。そして、各大臣が個別に局長、審議官らと会い、方針を伝え、それに従うことを確約させた後、再任する。
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1958年生まれ、法政大学大学院修士課程修了。スウェーデン国防軍国際センター民軍協力コース修了。広告代理店、出版社勤務を経てフリージャーナリストとして独立。1989年より国際協力の取材を始め、現在では世界の紛争地に赴くかたわら、発展途上国の開発・援助政策、コミュニケーション戦略を作成する。拓殖大学国際学部非常勤講師も務める。







