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2009年10月14日(水)

スマートグリッドがもたらすエネルギー革命

次世代送電網で顧客だけでなく電力会社も恩恵を受ける

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Rachael King (BusinessWeek.com記者、サンフランシスコ)
米国時間2009年10月5日更新 「Steve Jobs on the Greening of Apple

 米穀物・食肉大手カーギルは、自社の電気代削減のため、大胆な策を講じている。1日当たり約5万羽の七面鳥を加工する米アーカンソー州スプリングデールの同社工場では、電気代が年間200万ドル(約1億8000万円)以上かかるが、カーギルは電力消費量の多い日には自家発電装置を稼働させ、電気代を68万ドル(約6000万円)削減する計画だ。

 この計画実現に向けた秘策が、全米の家庭・産業用電力供給体制を大きく改善する次世代送電網「スマートグリッド」の活用だ。政府機関と電力会社は、送電網を刷新し、電力会社から電力利用者への1方向だけでなく、電力会社と顧客との間で双方向に電力と情報をやりとりできるスマートグリッドを整備する巨額の投資計画を開始したばかりだ。

 次世代送電網が確実に整備されれば、電気代削減や電力消費量の抑制、利用者による電力エネルギー源の選択が可能になるほか、顧客が自家発電を行い、電力会社への売電も可能になる。

 次世代送電網の整備に必要な技術の開発に取り組んでいる米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO)の新興技術グループ(ETG)を統括するグイド・ジュレCTO(最高技術責任者)は、「我々はスマートグリッドで、インターネットよりも広大なネットワークを構築しようとしている」と語る(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年6月2日「Cisco Pays Big for New Ideas」)。

スマートグリッド関連装置、5年後に2兆円近い市場規模に

 非営利研究機関の米電力研究所(EPRI)の推計によると、次世代送電網の整備には、1年当たり約80億ドル(約7100億円)の投資で20年間、総額1650億ドル(約15兆円)の費用がかかるという。

 シスコは送電網を刷新するのに必要な装置だけで、市場規模は5年後には年間200億ドル(約1兆8000億円)に達する可能性もあると試算している。

 シスコ以外にも、米IT(情報技術)大手IBM(IBM)や米ソフトウエア大手オラクル(ORCL)、米インターネット検索大手グーグル(GOOG)、独電機大手シーメンス(SI)などのハイテク各社が、スマートグリッド関連のソフトウエアやハードウエアの開発に取り組んでいる。

 ハイテク各社の関心の高さも当然と言える。1980年代のコンピューター革命で、パソコンが、中央集権型の巨大なメインフレームから主流の座を奪った時と同じような劇的な変化が、送電技術でも起ころうとしているからだ。

 現在の米国の送電網では、電力供給はできても、エンドユーザーの情報を収集する機能は限られており、電力メーターの検針に毎月担当者を派遣しなければならない。電力会社が旧型の電力メーターを「スマートメーター」に交換すれば、顧客と電力会社との間で相互に情報伝達が可能になる。

 パソコンの普及で、サードパーティー企業が提供する様々なソフトウエアやサービス、インターネットの利用が可能になったのと同様、スマートメーターの普及は、エネルギーの需要動向に適切に対応する電力供給体制を実現する新しいツールやサービスの登場に道を開くことになる。

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