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頭が痛い、北京のゴミは年8%増加中

埋め立て場は4年後に満杯、焼却場建設には激しい反対運動

2009年10月16日(金)

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 中国の統計によれば、2007年の全国655都市のゴミ総量は1.25億トンで、毎年8~10%の速度で増大している。

 そのうち、北京市のゴミの年間総量は約730万トン。積み上げれば、“景山”(元・明・清、3王朝の御苑、敷地面積:32.3ヘクタール、明・清王朝の皇居である“故宮”の北に位置し、現在では「景山公園」として知られている)の規模に相当すると言われている。

 景山の敷地面積は32.3ヘクタールで、面積が16.2ヘクタールの日比谷公園の2倍に相当する。これに対して、日本のゴミ総量は年間5000万トンで東京ドーム約136杯分に相当すると言われるが、このうち東京都のゴミ総量は約520万トンである。

 ちなみに、中国の都市住民1人当たりの1日平均のゴミ排出量は1キログラムあまりで、年間平均は440キログラム。全国600都市で既に埋め立て処理されたゴミの総量は80億トンに達しており、これらの都市の3分の2がゴミによって“包囲”されていると言われている。

埋め立て処分が90%

 2009年6月、メディアの取材に応じた“北京市市政市容管理委員会”(“市容”は「都市外観」を指し、都市のインフラ・公衆衛生を管轄する役所)は、北京市のゴミ量は急速に増大しており、このままでは4年後には市内のゴミ埋め立処理場は満杯になると述べた。
その概要は次の通りである。

[1] 北京市のゴミ量は1日平均1万8000トンで年間8%のペースで増大している。2015年には1日平均3万トンで、年間1200万トンに達する見通しである。
   
[2] 現状、北京市には13カ所のゴミ埋め立処理場があるが、このうちの大型埋め立処理場2カ所は既に満杯で閉鎖され、残りの11カ所も4年後には収容能力を超えることが予想される。
   
[3] 早急にゴミ量の削減を図るとともにゴミ処理施設を新規に建設しないと、4年後にはゴミを持って行く場所がなくなることになる。
   
[4] しかし、ゴミ処理施設を新規に建設するには通常5~6年かかるし、建設場所は住民の居住区から500メートル以上離れているなど、一定の環境保護基準を満すことが必要。さらに、地下水資源の保護や気候・風向による影響も考慮せねばならず、北京市内でこうした条件を満たす場所を確保することは極めて困難である。

 一方、2009年8月26日、“北京市市政市容管理委員会”は記者会見でこんなデータを公表した。

 北京市の2008年における年間のゴミ総量は、生活ゴミが672万トン、厨房ゴミ(レストランの厨房から排出される生ゴミ)が60トンの合計732万トンで、その処理方法は、埋め立て90、焼却2、堆肥8の比率になっている。

 東京よりも大きい732万トンもの年間ゴミ総量を抱える北京市がその処理の90%を埋め立てに依存している。そのゴミ埋め立て処理場が4年後には満杯となることは、外来人口を含めて約3200万人と言われる北京市にとって都市の生命線を左右する最重要事項である。

コメント3件コメント/レビュー

北京で生活する身としてごみ問題には注目しています。最近はコンビニ、スーパーなどではレジ袋の有料化が進み、中国人の意識の中にも<環境>という文字が意識されるようになっているようですが、さて、実際の運用となると北村さんがお書きになっているように様々な問題が存在しています。特にごみ処理の運用面で考えていけば、かなり軽量化していく手段はあるように思えます。私が住んでいるアパート(やや高級アパートに属します。)ではごみ分別は(回収・非回収)しかなく、かつ、実際にはなにも分別されていません。中国では道徳では人は動かないのである程度強制を伴うやり方を工夫する必要があると思います。ごみの運搬から処理にかけては前の方の発言にあるように日本の過去のノウハウが生きるはずです。日本でもごみ処理はまだ解決していない問題ですが、一日の長はありますので、商売としてお考えになるところが出てくるのではないでしょうか?特に、最近ではハード(生産・技術)のみならず、日本のソフト(サービス・物流・接客)などで日式を学びたいという産業が出てきていますので、この領域は面白いと思います。(2009/10/29)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「頭が痛い、北京のゴミは年8%増加中」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

北京で生活する身としてごみ問題には注目しています。最近はコンビニ、スーパーなどではレジ袋の有料化が進み、中国人の意識の中にも<環境>という文字が意識されるようになっているようですが、さて、実際の運用となると北村さんがお書きになっているように様々な問題が存在しています。特にごみ処理の運用面で考えていけば、かなり軽量化していく手段はあるように思えます。私が住んでいるアパート(やや高級アパートに属します。)ではごみ分別は(回収・非回収)しかなく、かつ、実際にはなにも分別されていません。中国では道徳では人は動かないのである程度強制を伴うやり方を工夫する必要があると思います。ごみの運搬から処理にかけては前の方の発言にあるように日本の過去のノウハウが生きるはずです。日本でもごみ処理はまだ解決していない問題ですが、一日の長はありますので、商売としてお考えになるところが出てくるのではないでしょうか?特に、最近ではハード(生産・技術)のみならず、日本のソフト(サービス・物流・接客)などで日式を学びたいという産業が出てきていますので、この領域は面白いと思います。(2009/10/29)

結びの小タイトル、「日本にとって、他人事ではない」は記事の質を下げている気がします。岩波新書の『中国で環境問題にとりくむ』定方正毅 (著) を読んだときには、同じような脈絡でも、むすびは全く違ったものでした。おそらく北村豊さんがつけたタイトルではなく、編集部の責任ではないかと文脈でわかります。「他人事でない」、これだと日本に影響がない場合、たとえば地球の裏側で同じことが起こっていたら助けなくても良い、という理屈になってしまいます。どちらにせよ日本の叡智でもって状況を改善させていくことが大切だと思っています。他人事でなくとも、日本は行動する必要があるのです。(2009/10/25)

この国の食文化によるものですが、油を大量に使用するため当然のこととして合成洗剤を大量に使います。接待の時は食べ残しがでないと満足な接待とはならず、いつもテーブルの上は大量の食べ残しが。しかし、庶民の生活はつつましくおそらく一人が出すごみは日本人より少ないはず。私が捨てたペットボトルも1分後には消えています。国内向けのメイドインチャイナは粗悪品。壊れて使用不可能なものが大量に出ます。でも、めぼしきものはやはりどこかに消えていってます。ただ豊かな北京人は日本人に近い?悪しきファストフードも大人気で、ごみ増加に一役買っていますし。筆者も書いておられますが、教育以外に彼らの意識を高めるしかなく、しかし時間がかかります。ゴミ回収の有料化もありますが、おそらく不法投棄が増えるだけでしょう。広い国土があるだけに甘く見ているのか、田舎の都市は道端にごみの山を作り、誰も気に留めません。日本に悪影響がなければ考えたくない問題なのですが...日本の企業がそのノウハウを売り込むビジネスチャンスにならないでしょうか。すでに着手してますかね。(2009/10/16)

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三品 和広 神戸大学教授