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ピンクのストッキング、日本海を渡る

中国の「牛乳メラミン事件」が日本製の追い風に

2009年10月16日(金)

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 今あなたが履いている靴下はおいくら?――。

 記者の場合、4足1000円の格安靴下と決まっている。すぐゴムが緩くなるとか、靴下を脱ぐ度に糸くずが足の指にまとわりつくとか、多少の難は承知の上。それでも愛用してきたのは、穴が空いたら気楽に捨てられる安さが魅力だからだ。

 こうした格安製品の大部分は中国の工場で作られている。靴下に限らずストッキングや洋服も、値段が安いほど中国製の比率は高まる。

日本にとどまれば「座して死を待つばかり」

 「世界の工場」である中国で生産された安い商品が日本に大量に輸入された結果、日本の製造業とりわけ繊維産業に大きなダメージを与えた。例えば、パンティーストッキングの市場規模はここ10年で半減したと言う。

 格安の中国製品に押された日本メーカーはどんな手を打ったか。編み方などを工夫して足の疲れやむくみを緩和する機能性ストッキングや足をより細く見せる美脚ストッキングなど、日本のお家芸である高付加価値戦略に力を注いできた。

 それでも若い女性を中心にストッキング離れ(いわゆるナマ足)は確実に広がり、しかも人口減少でこの先も国内市場が好転する可能性は低いと言わざるを得ない。

 じり貧の日本にとどまっていては「座して死を待つばかり」。そこで“アジアで稼ぐ”ために、中国向けに高級ストッキングの販売を始めた中小企業がある。徳島県鳴門市に本社を構える、サンエバンというストッキングメーカーだ。

“黄金の方程式”に陰り

 サンエバンの年商はおよそ7億円。右肩下がりのストッキング業界にあっても、国内外のブランドから品質や技術力が評価されてこれまでOEM(相手先ブランドのよる生産)メーカーとして生き残ってきた。

 そんなサンエバンに声をかけてきたのが藩暁宇なる中国人だった。

 藩氏が社長を務める杭州漢世服飾(浙江省杭州市)は、これまで中国で生産された安い靴下やストッキングを日本などに輸出するのが主な事業だった。

 しかしリーマンショック以降、中国で安く作って海外で売りさばくという“黄金の方程式”にも陰りが見えてきた。そこで藩社長はまったく逆の流れ、つまりコストの高い日本で生産した商品を中国で売ろうと考えた。

日本製の高級パンティーストッキングを中国で売り出す杭州漢世服飾の藩暁宇社長。浙江省杭州市の展示会場にて(写真:坂田 亮太郎)
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 藩社長から初めて話があった時、サンエバンの山本善幸社長は我が耳を疑った。藩社長の要求は「中国向けに安い商品を作ってくれ」ではなかった。

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「ピンクのストッキング、日本海を渡る」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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