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ドバイの景気は最悪期を脱したか?

不動産価格の暴落がもたらした打撃と恩恵

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2009年10月16日(金)

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Stanley Reed (BusinessWeek誌ロンドン支局長)
米国時間2009年10月8日更新 「Dubai: Is the Worst Over?

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国は、一見すると、世界同時不況の影響をさほど受けていないように見える。巨大なドバイ国際空港の出入国審査カウンターは、夜の11時でも渡航者で混雑し、15分待ちの列ができる。歓楽街の飲食店やナイトクラブは、観光客と地元市民が入り交じり、国際色豊かににぎわっている。

 ドバイの経済開発への意欲も完全に失われたわけではない。ドバイの政府系不動産開発最大手エマール・プロパティーズで精力的に働くムハンマド・アル・アッバール会長は(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年6月21日「The Master Builder of the Middle East」)、先日の晩、近く竣工予定の世界一の高層ビル「ブルジュ・ドバイ」(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年7月25日「The Tallest Building in the World」)前の豪勢な人工池の周囲に新設された遊歩道を、来客とともに自慢気に練り歩いた。

 そのアトラクションでは、イタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリが名曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を歌い、色鮮やかな噴水が花火のように高く舞い上がった。アッバール会長は、この噴水ショーのために2億5000万ドル(約220億円)以上もの費用を投じたと語り、同様の米ラスベガスのベラージオ・ホテルの噴水ショーよりも断然すぐれていると胸を張る。「人々がこの噴水で喜んでくれるなら、それで十分だ」(同会長)。

 だが、現実をひと皮むけば、あちこちでドバイ経済の窮状が見えてくる。政府当局が不動産開発会社に対し、着手したプロジェクトの早期完工を求めたため、供給増で不動産価格は50%も暴落し、空室の物件が急増している。

 英不動産仲介・コンサルティング大手ナイト・フランク(本社:ロンドン)が最近発表した調査結果によれば、過去1年(2008年6月30日から2009年6月30日)の世界の先進32カ国・地域の不動産市場の中では、ドバイの落ち込みが突出しており、平均47.3%の下落率だった(同期間の落ち込み幅が2番目に大きかったシンガポールはマイナス27.7%)。

欧米の投資銀行はドバイ在勤の社員を削減

 ドバイの不動産開発2大大手で、ともに政府系企業のエマールとナキールは、10月5日からドバイで開催された国際不動産見本市「シティースケープ2009」に最終的には出展を決めたものの、当初は出展しない方針を示していた。また、取引件数の減少を受け、欧米の投資銀行はドバイ在勤の社員を削減。必要に応じて英ロンドンから専門担当者を派遣する、以前の営業体制に戻している。

 ドバイが不況による深刻な打撃から立ち直るには、間違いなくしばらく時間がかかる(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2008年12月11日「ドバイにも人員削減の波」)。不動産バブルの渦中にあったドバイは今、住宅不動産・商業不動産ともに、大幅な供給過剰に対処する必要がある。

 一方、不動産バブルの崩壊によって、あまりに高騰していた不動産の賃料や価格が値下がりしていることは、明るい話題と言えそうだ。ドバイに本社を置く資産運用会社エボルベンス・キャピタルのハレド・アル・ムハイリCEO(最高経営責任者)によれば、近年ドバイ各地に建設された高層ビルのオーナーが打撃を受けている一方で、こうしたビルに入居している企業にとっては賃貸条件が大幅に改善しており、恩恵を享受している企業の方がはるかに多いという。

 だが、信用市場は依然として委縮したままだ。金融関係者らは、ドバイの政府系企業などが抱える推計850億ドル(約7兆6000億円)の債務の返済計画がはっきりするまで、市況の回復は見込めないと語る。年末に償還期限を迎えるナキールのイスラム金融債「スクーク」の35億ドル(約3100億円)についても、大きな不安が渦巻いている(金融関係者らは、ナキールが新規債券を発行して借り換えを行うと見ている)。

 政府系企業などからなる「ドバイ株式会社」の債務の中で特に不安視されているのは、今後3年間に返済または借り換えを行う必要がある債務約500億ドル(約4兆5000億円)の動向だ。エジプトの証券大手EFGエルメスは、返済期限を迎えるドバイの債務を、2010年に131億ドル(約1兆2000億円)、2011年に195億ドル(約1兆8000億円)、2012年に157億ドル(約1兆4000億円)と推計している。

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