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消えた新規受注、盟主韓国の焦り

「何が何でも世界首位」のプライドが裏目に

  • 佐藤 紀泰

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2009年10月19日(月)

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 世界的な景気悪化が直撃し、造船の新規受注がぱたりと止まった。2003年からの造船バブルによって、生産能力を一挙に拡大した韓国と中国に対して、世界2位である日本の造船産業は表面的には焦ってはいない。とりあえず2012年末までの受注残があるためだ。

 ただ、来年にも世界の生産能力は平均的な年間需要の3倍に達する見通しであり、かつてない「“超”過剰供給時代」が迫っている。韓国では早くも「造船不況は10年続く」という悲観的な見方まで出ている。泥沼の造船三国志をどこが勝ち抜くのか。


 世界最大手である韓国の造船産業がかつてない危機に直面している。

 現代重工業や三星重工業など大手各社が2003年からの造船大ブームで生産能力を一挙に2倍以上に引き上げたが、それが裏目に出そうな雲行きになってきた。あまりにも巨大化した生産能力を埋め合わせる受注がとれず、焦りが最高潮に達しつつある。

新規受注は、1年間も“消滅”したまま

 「我々は年間100隻を受注しなければならない。とてつもないプレッシャーだ。それにもかかわらず、ほとんど受注できそうな案件が見当たらない」。世界最大手である現代重工業の幹部は親しい日本の業界関係者にこうぼやいている。

 それもそのはずだ。昨年秋のリーマンショック以降、大宇造船海洋を含めた「ビッグスリー」はほとんど新規受注がなくなっているのだ。

 英ロイド統計を見ても、韓国の造船業界の受注は今年1~6月にたったの20隻、建造量ベースでは95万総トンに過ぎない。昨年1~6月の実績は370隻、約2400万総トンだったのだ。

 しかも、今年の20隻のほとんどは安値受注に走った新興造船所とされる。あまり値崩れさせたくない現代重工など大手は動くに動けなかったのだ。そして、リーマンショックからの1年間は新規受注がなく、手持ち工事量がどんどん減っている。

40隻近い大型コンテナ船の発注契約が宙に浮く

 それに追い打ちをかけているのがキャンセルの嵐だ。特に最近は韓国大手が最も得意とする大型コンテナ船での不穏な動きが広がっている。

 韓国大手はLNG(液化天然ガス)輸送船と大型コンテナ船が経営の柱だったが、特にコンテナ船は米国の景気悪化で荷動きが鈍化。輸送運賃も大幅に下落し、欧州などの海運大手が経営危機に直面している。

 例えば、コンテナ輸送を強みとする世界海運大手、仏「CMA CGM」の経営危機は韓国の造船大手を直撃した。同社は9月末に、実質的に債務不履行状況に陥ったとされ、仏政府に支援を要請した。

 そこで問題になるのは韓国の現代重工業などに対する40隻近い大型コンテナ船の発注契約だ。当然のことながら、経営危機に陥っている以上、契約が宙に浮く可能性が大きい。

 コンテナ船は世界的にだぶついており、輸送運賃の回復の見通しも立たない。それだけに、来年から建造するはずだった30隻強が納期の延期だけで済むとは思えない。完全に消滅しかねない状況なのだ。

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