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インド、小売り大手が今も苦戦中

「買い物するなら個人商店」の習慣が崩れない理由

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2009年10月22日(木)

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Mehul Srivastava (BusinessWeek誌記者、ニューデリー)
米国時間2009年10月16日更新 「Big Retailers Still Struggle in India

 10月17日から5日間続くヒンズー教、シーク教、ジャイナ教の祭典「ディワリ(光の祭り)」を数日後に控え、インドの首都デリー近郊のボーガルに住むラージラクシュミ・パンディットさん(主婦、34歳)は、家族や友人へのプレゼントを買いに出かけた。地下鉄に乗ること45分、最寄りの大規模小売店「ビッグ・バザール」に到着。そこでは、サリーやネクタイ、コーンフレークや冷凍チャパティに至るまで何でも揃う。パンディットさんは1時間ほどかけて、子供用衣料や腕時計、携帯電話をじっくり見て回った。

 しかし、そこでは何も買わずにまた地下鉄に乗り、夫と3人の子供と暮らす地元、労働者階級の街ボーガルへと逆戻りし、賑やかな露天市場に直行。ビッグ・バザールの価格メモを片手に家族経営の小さな店を回るパンディットさんに、店主らは名前で呼びかける。姉へのプレゼントに選んだのは、ビッグ・バザールより5ドルほど安い120ドルで売られていた携帯電話だ。3時間後に自宅まで携帯電話を届けてくれた店員に、パンディットさんの夫は現金で支払いを済ませた。「ビッグ・バザールは素敵なところだけれど、値段を参考にしたかっただけ。大きな店では買わないことにしているわ」とパンディットさんは言う。

 ディワリを祝う花火が空を彩る中、インドでは、大勢の人が新しい家電や服、家族全員へのプレゼントなどを購入する。デリーのマーケットはディワリの数日前から、持参した小さな量りで金のブレスレットを量る人や、穏やかな10月の気候には暑すぎるセーターを次々と試着させられてうんざりしている子供を連れ回す親など、数カ月間こつこつ貯めておいたお金で買い物をする人々でごった返している。

外資系小売業者の足かせとなる法律

 だがパンディットさんのように、大多数のインド人にとって、大規模小売店は買い物をするよりも見て楽しむ場所になっている。外資系小売業者に対するインドの規制は複雑で、米ウォルマート・ストアーズWMT)や仏カルフールといった小売り大手には、インドの卸売り業者との提携しか許可されておらず、パンディットさんのような個人に直接商品を販売することができない。一方、米リーバイ・ストラウスなど、単一ブランドを扱う小売業者は個人に直接販売できるが、インド企業との合弁会社の設立が義務付けられている。

 つまり、インドの消費者のほとんどが、外資系小売業者の手の届かないところにあるのだ(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年4月30日「Widening Aisles For Indian Shoppers」)。

 例えば、英小売り大手マークス・アンド・スペンサーがインドのリライアンス・インダストリーズとの提携で展開する店舗数は、現在、わずか15にとどまっている(だが、同社は10月13日、インド国内で50店舗を新規出店する計画を発表)。

 ウォルマートは5月、インドのバーティ・エンタープライゼズとの合弁で、北部のパンジャブ州アムリトサルにインド第1号店となる「ベスト・プライス・モダン・ホールセール」をオープンさせた。だが、顧客となるのは、小売店(「キラナ」と呼ばれる個人商店が多い)経営の証拠となる納税証明書を提出して登録した小売業者に限られる。両社はさらに15店舗の開設を目指している。

 このようにインドでは、外資系企業の進出が制限されているため、国内小売業者が4500億ドル(約41兆円)規模のインド小売市場を牛耳っているのが現状だ。ビッグ・バザールを展開するフューチャー・グループやスーパーマーケット「リライアンス・フレッシュ」を展開するリライアンス・インダストリーズ、ビシャル・リテールなどのインド小売り各社は、国内各地で地代の高い好立地に数百万平方フィート(数十万平方メートル)の広大な土地を借り、出店を進めてきた。

依然として個人商店が市場を支配

 だが、インドのエーデルワイス証券によれば、インドの小売市場は個人商店がほぼ独占しており、エアコンのきいたスーパーや大規模小売店の市場シェアは5%にも満たないという。これらの大規模小売店はインドで強い足場を持たないため、ほとんどの店が効率のいいサプライチェーンを構築できず、欧米のような大幅な値引きができないままでいる。

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