東京都の約半分の面積に約700万人が住む香港。価格の高さで有名なその不動産の市場にバブルの大波が押し寄せている。主役は、中国本土の投資家だ。
「アジア最高価格」。「いや、世界でナンバーワンだ」――。
10月半ば、香港ではあるマンションの成約が大きなニュースとなった。場所は香港島にある金融街セントラルの北側、山の手に広がるミッドレベル。最高級住宅地として知られる地区である。
東京の「最高級」と比べても約3倍
そこで新しく販売された46階建ての高層マンションの1室に約50億円の値がついた。メゾネットタイプのその部屋の総面積は6158平方フィート(574平方メートル)で、1平方フィート(約0.093平方メートル)当たりの価格は7万1280香港ドル(約82万円)。
買い手は、中国本土の人物だという。
これは香港の同地区のマンションが過去に記録した、一戸建ても含めた住宅のアジア最高記録を塗り替えた。面積当たりの金額では、それまでトップだったロンドンの物件を上回り世界最高記録を樹立したとされている。
ちなみに東京都心の最高級マンションは1平方メートル当たり300万円程度なので、それと比べても3倍近い計算になる。
このようなニュースは、ほんの半年前には想像できなかった。リーマン・ショック以降、香港の高級住宅市場は外国人や香港の富裕層の需要減によって急激な価格下落に見舞われていた。しかし、中国本土からの“救世主”があっという間に風向きを変えつつある。
これは過熱する中国本土の不動産市場と密接にリンクしている。政府の金融緩和が生み出した余剰資金が流れ込み続けていることで、上海など本土の不動産価格は急ピッチで上昇している。
人民元の対香港ドル為替レートが上昇していることも手伝って香港の物件に相対的に割安感が生まれ、本土の投資家が競うようにして購入に走っている。
ホントは44階でも縁起のいい「68階」表示
香港内での最近の不動産取引を対象とした野村インターナショナル(香港)の調査によると、中国本土の個人による購入が全体の11%を占めているという。
価格が500万香港ドル(約5750万円)未満の物件ではその比率は5%にとどまるが、2000万香港ドル(約2億3000万円)以上の高級物件になるとその数字は21%にまで跳ね上がる。高ければ高いほど中国本土からの購入意欲が強いというわけだ。
香港の大手デベロッパーも千載一遇の稼ぎ時に色めき立っている。
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